
春はたくさんの花が咲き競い、庭やベランダが一年で最も華やぐ季節。この記事では、春に花が咲く植物から、定番として人気の高い花やビギナーにおすすめの育てやすい花などを開花月ごとにご紹介します。あなたの庭にも植えたくなる春の花が、きっと見つかるはずですよ!
【春の花】3月に咲く花
チューリップ
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チューリップは、ユリ科チューリップ属の球根植物です。原産地は中央アジア〜北アフリカで、寒さに強い性質を持っていますが、夏の暑さを苦手とします。開花期は4月頃。花色は赤、ピンク、オレンジ、黄色、緑、紫、黒、複色などがあり、色のニュアンスもさまざま。ユリ咲き、フリンジ咲き、パーロット咲きなど個性的な花姿の品種もあります。草丈は10〜70cmほど。
球根の植え付け適期は10月中旬〜12月中旬で、球根2個分の深さに植え付けます。複数植える場合は、球根2個分の間隔を取りましょう。チューリップは球根を1〜2球植えるよりは、同じ品種を5〜10球ずつ植えるマス植えにするとよく映えます。寒さにあわせることが大切なので、必ず戸外で管理しましょう。球根植物ですが、温暖な地域では球根を太らせることが難しいので、一年草として扱うのが無難。寒冷地では地上部が枯れたら掘り上げて風通しのよい場所で管理し、秋に再び植え付けます。
チューリップの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します
スイセン
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スイセンは、ヒガンバナ科スイセン属の球根植物です。原産地はイベリア半島を中心とした地中海沿岸で、寒さに強い性質を持っています。開花期は11月中旬〜4月で、花色は白、オレンジ、黄色、複色など。人気の高い花だけに品種が豊富で、花色や花姿は多様です。草丈は10〜50cmほど。
球根の植え付け適期は10〜11月で、球根2個分の深さに植え付けます。複数植える場合は、大型の球根で15〜20cm、中〜小型の球根で10〜15cmの間隔を取りましょう。春の開花が終わったら花首で切り取り、お礼肥として肥料をばらまいて球根を太らせます。数年は植えっぱなしにしてかまいませんが、大株に育ったら6月頃に球根を掘り上げて分球し、風通しのよい場所に吊して保存を。秋に植え直すと、翌春に再び開花します。
スイセンの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します
スミレ
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スミレは、スミレ科スミレ属の多年草です。日本では北海道から沖縄まで自生する山野草で、その地域でしか見られない変種などもあり、海、山、街と、じつにさまざまな場所で見ることができます。開花期は4〜5月頃で、花色は紫、ピンク、白など。草丈は10cmほどで、可憐な花を咲かせます。
苗を植え付ける場合、適期は2~3月、または9月頃。鉢植えでも、地植えでも栽培できるので、環境に合わせて選びましょう。根が深く伸びるので深さのある容器を選び、成長に合わせて2~3月、または9月に植え替えを行いましょう。種まきから育てる場合、適期は1~2月が適期です。
春の可憐な使者「 スミレ」特徴・種類・育て方・意外な一面をご紹介
ヒヤシンス
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ヒヤシンスは、キジカクシ科ヒヤシンス属の球根植物です。原産地はギリシャ、シリア、小アジアで、寒さに強い性質を持っています。開花期は3〜4月で、花色は赤、ピンク、白、黄色、青、紫。甘い香りも魅力です。草丈は20cmほど。
球根の植え付け適期は10〜11月で、球根2個分の深さに植え付けます。複数植える場合は、球根2個分の間隔を取りましょう。寒さにあわせることが大切なので、必ず戸外で管理しましょう。春の開花が終わったら花首で切り取り、お礼肥として肥料をばらまいて球根を太らせます。6月頃に地上部が枯れたら球根を掘り上げて、風通しのよい場所に吊しておきましょう。秋に植え直すと、翌春にまた開花します。ヒヤシンスは水栽培にしても開花するので、インテリアで楽しんでもよいでしょう。
ヒヤシンスの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します
フリージア
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可憐な花姿と甘い香りが特徴のフリージアは、切り花としても人気が高い春の花の定番です。原産地は南アフリカで、アヤメ科フリージア属の球根植物です。温暖な気候を好み、耐寒性はそれほど強くありません。3月中旬~5月上旬で、花色は白、赤、ピンク、オレンジ、黄色、紫、複色と多様です。花形には一重咲き、八重咲き、半八重咲きがあり、草丈は40~80cmほどで、芳香があり、切花としても人気です。
フリージアは球根から育てるのが一般的で、植え付け時期は9~11月です。鉢植え、地植えともに可能ですが、アヤメ科の植物を植えた土壌は連作障害を起こす場合があるので、注意が必要です。日当たりと風通しよくく、冬は3℃以下にならない場所が理想です。夏は地上部が枯れて休眠しますが、休眠期間は、球根を掘り上げて乾燥させ、新たな球根を冷暗な場所で保管すれば翌シーズンも楽しめます。
発芽するまでは、土が乾いたらたっぷり水やりをします。葉が伸びた後の水やりは控えめにしましょう。肥料は元肥として緩効性肥料を施し、3月頃に液体肥料か化成肥料を追肥します。また、草丈が40~80cmと比較的高くなるので、風などで倒れないよう支柱を添えておくとよいでしょう。花が咲き終わったらこまめに花がら摘みを行うと、病害虫の予防にもなり長く美しい花を楽しめます。
フリージアの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します
ムスカリ
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ムスカリは、キジカクシ科ムスカリ属の球根植物です。原産地は地中海沿岸、西アジアで、寒さに強い性質を持っています。開花期は3月〜5月中旬で、花色は青、紫、白、ピンクなど。ムスカリは5〜10球をまとめて植えるマス植えにしたり、ボーダー状に群植させたりすると、見応えのある景色をつくることができます。草丈は10〜20cmほど。
球根の植え付け適期は10〜12月中旬頃で、深さ5cm程度の穴を掘って植え付けます。複数植える場合は1〜2球分ほどの間隔を取りましょう。春の開花が終わったら花首で切り取り、お礼肥として緩効性化成肥料をばらまいて球根を太らせます。6月頃に葉が枯れ込んできたら球根を掘り上げ、風通しのよい場所に吊して保存を。秋に植え直すと、翌春に再び開花します。
ムスカリの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します
菜の花
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菜の花は、アブラナ科アブラナ属の一年草です。原産地は地中海沿岸で、寒さに強い性質があります。開花期は2〜5月で、花色は黄色。開花すると独特の香りが漂います。草丈は50〜80cmほど。
10月頃にタネを播いて育成します。花苗店で苗を入手して植え付けてもOKですが、直根性で移植を嫌うので、根鉢を崩さないように植え付けましょう。アブラムシやアオムシが発生しやすいので、見つけ次第薬剤を散布して防除を。開花が終わったら枯死するので、抜き取って処分します。
タンポポ
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タンポポは、キク科タンポポ属の草花の総称。日本の自生種である「ニホンタンポポ」は基本的に春の3〜4月に開花し、外来種である「セイヨウタンポポ」は一年中開花します。タンポポの花といえば、茎の先に咲く丸い花をイメージしますが、じつは1枚1枚の花弁のように見えている小さな花が集まった花の塊(頭状花)なのです。小さな花が集まって、一つの大きな花のように見せることで、より昆虫の目を引くようにしているのだそう。
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ハナニラ
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ハナニラは、ヒガンバナ科ハナニラ属の球根植物です。原産地は南アメリカで、暑さ寒さに強い性質を持っています。開花期は3〜4月で、花色は白、ピンク、紫、黄色など。葉にはニラのような香りがあるので、「花韮(はなにら)」という名前がつけられました。丈夫で野草化するほど生命力旺盛なため、人の手を借りずとも元気に育つ植物です。草丈は15〜25cmほど。
球根の植え付け適期は10〜11月で、深さ5cm程度の穴を掘って植え付けます。複数植える場合は1〜2球分ほどの間隔を取りましょう。春の開花が終わったら花首で切り取り、お礼肥として緩効性化成肥料をばらまいて球根を太らせます。数年は植えっぱなしにしてかまいませんが、大株に育って込み合ってきたら9月頃に掘り上げて分球し、植え直しましょう。
パンジー&ビオラ
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パンジー&ビオラは、スミレ科スミレ属のヨーロッパ、西アジア原産の一年草です。かつては「花径が4cm以上はパンジー」、「小輪多花はビオラ」といった分け方がされていましたが、現在は人工交配により複雑化し、両者の境界は曖昧となっています。開花期は10〜6月で、花色は赤、ピンク、黄、オレンジ、白、青、紫、黒、複色など。
パンジーとビオラの育て方に特に違いはなく、ポット苗から育てるなら10~11月が適期。晩秋から育てたほうが、苗の入手がしやすく長く楽しめます。苗の定植時には緩効性肥料を施し、開花が盛んになってきたら7~10日に一回程度、1,000倍に薄めた液肥などで追肥しましょう。園芸初心者にも育てやすく、同時期に開花するクリスマスローズの株元に配置して、早春の可憐な花々の競演を楽しむのもおすすめです。
パンジー・ビオラの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します
ラナンキュラス
Photo/3and garden
ラナンキュラスは、キンポウゲ科キンポウゲ属の球根植物です。原産地は東ヨーロッパ、南ヨーロッパ、西アジアで、花弁がいく重にも重なる花姿が特徴です。開花期は3月下旬~5月下旬で、花色は、赤、ピンク、黄、オレンジ、白、紫、緑、複色など。草丈は30~60cmほど。
苗の植え付け適期は、暖地では11月中旬~12月中旬、寒冷地では10月上旬から11月中旬。苗は根鉢をくずさずに植え付けましょう。耐暑性が弱く、夏の間は休眠します。耐寒性は普通ですが、地植えなら霜が当たらない場所で育てて防寒対策をしましょう。
近年は、球根を植えっぱなしで夏越しや冬越しがしやすいラナンキュラス・ラックスシリーズ(上写真)が人気です。
ラナンキュラスの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します
アネモネ
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アネモネは、キンポウゲ科イチリンソウ属(アネモネ属)の球根植物です。原産地はヨーロッパ南部〜地中海沿岸東部で、暑さに弱く、寒さに強い性質を持っています。開花期は3〜4月で、花色は白、赤、ピンク、青、紫、複色など。コロナリア種が最もポピュラーですが、菊の花のようなブランダ種、原種系のフルゲンスなども出回っています。草丈は15〜50cmほど。
球根の植え付け適期は10〜12月で、球根は尖ったほうを下、平らなほうを上にして、浅めに植え付けます。複数植える場合は15〜20cmほど間隔を取りましょう。春の開花が終わったら花首で切り取り、お礼肥として肥料をばらまいて球根を太らせます。6月頃に球根を掘り上げ、風通しのよい場所に吊して保存を。秋に植え直すと、翌春に再び開花します。
アネモネの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します
ムラサキハナナ
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ムラサキハナナは、別名ショカッサイ、オオアラセイトウとも呼ばれます。アブラナ科オオアラセイトウ属の一年草です。原産地は中国、ヨーロッパで、夏の暑さに弱く、寒さに強い性質があります。開花期は3〜4月で、花色は淡い紫色。群植すると見応えがあります。草丈は50cmほど。
10月にタネを播いて育成します。花苗店で苗を入手して植え付けてもOKですが、直根性で移植を嫌うので、根鉢を崩さないように植え付けましょう。3月頃からアブラムシやアオムシが発生しやすくなるので、見つけ次第薬剤を散布して防除を。開花期は花がらをまめに摘んで、株周りを清潔に保ちます。開花後は枯死するので、抜き取って処分しましょう。
サクラ(桜)
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サクラは、バラ科サクラ亜科サクラ属の落葉性の花木です。北半球の温帯地域に広く分布し、日本では変種を合わせると100種以上の桜が自生しています。開花期は3~4月で、品種によっては10〜3月に開花するものも。花色はピンクと白。代表的なものは「ソメイヨシノ(染井吉野)」や、「エドヒガンザクラ(江戸彼岸桜)」、「カンヒザクラ(寒緋桜)」、「オオシマザクラ(大島桜)」、「カワヅザクラ(河津桜)」など。ソメイヨシノは日本の桜の約80%を占めるといわれていますが、世間に登場したのは意外と遅く、明治に入ってからです。辺り一面を薄紅色に染める桜並木は、日本の春を象徴する風景と言えます。
サクラの植え付け適期は12〜3月で、品種によって一重咲き、八重咲き、枝垂れ咲きなど、多様な咲き姿や色合いを楽しむことができます。
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オステオスペルマム
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オステオスペルマムの原産地は熱帯アフリカとアラビアで、キク科オステオスペルマム属の多年草です。高温多湿を嫌い、日当たりが良く風通しのよい場所を好みます。比較的耐寒性があり、環境が合えば越年して毎年花を咲かせるのでガーデニング初心者にも育てやすい植物です。
開花期は3~6月で、冬は生育が止まり常緑のまま越年します。花色は紫、白、オレンジ、黄色、ベージュ、ピンク、複色などがあり、花形はマーガレットに似た一重咲きのほか、八重咲きや花弁がスプーン状のスプーン咲きなどもあります。夜間や曇天の日は花を閉じる性質がありますが、品種改良により閉じない品種も増えています。
植え付けは、種まき、苗植えともに9~10月が適期です。地植え、鉢植えのいずれも可能で、苗を植え付けた後はしっかりと水やりを行いましょう。施肥は地植え、鉢植えともに3〜5月と9〜10月が適期です。緩効性化成肥料と液体肥料を施し、液体肥料は2週間に1度を目安にしましょう。肥料が不足すると花付きが悪くなります。次々に開花するので、花がら摘みはこまめに行いましょう。
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ユキヤナギ(雪柳)
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ユキヤナギは、バラ科シモツケ属の落葉性の花木です。日本や中国を原産とし、本州から西のエリアで多く見られます。開花期は2〜4月で、花色は白。「ユキヤナギ」の名前の由来は、白い小花をたくさん咲かせ、まるで雪をかぶったかのように見えることから。日本の気候に適していて寒さにも暑さにも強く、病害虫の心配も少ないため、庭木としても扱いやすい樹木です。
ユキヤナギの植え付け適期は2~3月で、早咲き品種は10~12月に行うのがおすすめです。1~2月に寒肥として有機質肥料や緩効性の化成肥料を与え、開花後にはお礼肥を与えて樹勢を回復させましょう。また、花芽分化期を迎える秋にも追肥をすることで、花付きよく美しい花を咲かせてくれます。
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マグノリア
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マグノリアとは、モクレン属の園芸品種の総称。落葉性の花木で、ボリュームのある美しい花を一面に咲かせます。日本原産にはコブシやシデコブシ、オオヤマレンゲなど、中国産にはモクレンやハクモクレンなどがあります。開花期は3~5月、花色は白、赤、ピンク、黄、複色などがあります。樹高は2~10m以上と大きくなるので、小スペースでの栽培なら小型の園芸品種、ガールマグノリアの系統がおすすめです。
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ミモザ(ギンヨウアカシア)
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ミモザは、マメ科アカシア属の常緑性の花木です。原産地はオーストラリア。開花期は3月~4月上旬で、黄色い房状の花をたっぷりと咲かせます。比較的痩せた土地でも育ち、シンボルツリーとして人気が高いほか、スワッグやリース、ブーケにして部屋に飾るなど開花後の楽しみも魅力です。
植え付け適期は4〜9月。本来ミモザはオジギソウなどの別の植物を指す名前でしたが、現在はギンヨウアカシアを表すことが多くなっています。ギンヨウアカシアのほか、フサアカシアもミモザという名称で流通していることがあります。どちらも成長が速く大きく育つため、支柱を立てて支えるほか、花後には剪定を行います。
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【春の花】4月に咲く花
ネモフィラ
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ネモフィラは、ムラサキ科ルリカラクサ属の一年草です。原産地は北アメリカ西部で、暑さに弱い性質があります。開花期は4〜5月で、花色は青、黒、白など。草丈は10〜20cmで、這うように広がるので、花壇のエッジなどに重宝します。
ポピュラーな植物で、花苗店で容易に苗を入手できます。植え付け適期は3月頃。花壇に元肥として緩効性化成肥料を施して植え付けます。移植を嫌うので、根鉢を崩さないように扱うことがポイントです。春にアブラムシが発生しやすいので、土中に粒状タイプの薬剤を混ぜておくのもおすすめです。開花中は花がらをまめに摘んで株まわりを清潔に保ちます。夏越しはできないので、枯れたら抜き取って処分しましょう。
スイートピー
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スイートピーはイタリアのシチリア島が原産地の、マメ科レンリソウ属の一年草または宿根草です。つる性のため、フェンスに這わせたりアーチを作ったりと、立体的な仕立てが楽しめます。つるを伸ばしながら最終的に2~3mの草丈になりますが、小型の矮小品種もあります。
春の花というイメージがあるスイートピーですが、開花期は4~6月の春咲き、6~8月の夏咲き、さらに冬咲きのものもあります。花色は白、赤、ピンク、紫、オレンジ、複色などがあり、フリルのような花と芳香が特徴で、切り花としても人気です。日当たりと風通しのよい場所を好み、比較的耐暑性が弱いとされています。また、マメ科の植物は連作障害を起こしやすいため、前年に栽培した場所は避けましょう。
晩秋から早春にかけてポット苗が園芸店やホームセンターで出回るので、購入したら早めに植え付けて元肥を施しましょう。植え付けの際はポット苗を用いて、根を傷めないように植え付けます。根が深く張るので水は多めに与えましょう。緩効性化成肥料を元肥に、その後は月に1回程度、緩効性化成肥料を置き肥にし、チッ素分が少なく、リン酸分の多い肥料を選ぶとよいでしょう。
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クレマチス
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クレマチスは、キンポウゲ科センニンソウ属(クレマチス属)の多年草です。つるを伸ばして生育する植物で、フェンスやアーチ、オベリスクなどに仕立てるとよく映えます(品種の中には立ち性・半立ち性もあります)。原産地は北半球の各地で、品種によって耐寒性や耐暑性、落葉性・常緑性などかなり性質が異なるので、選んだ品種が好む環境をしっかりと把握することが失敗なく育てるポイントです。開花時期も種類によって3月下旬~5月に開花する春咲きと、5〜10月に繰り返し開花する夏咲き、10月〜翌年の5月に開花する冬咲き種があります。花色は白、赤、ピンク、黄色、青、茶色、紫、複色など。咲き姿は多様で、一重咲き、八重咲きの他、チューリップ形、ベル形などもあります。つるが伸びる範囲は品種によって幅があり、20〜300cmほどです。
植え付けの適期は12〜2月。日当たり、風通しのよい場所に元肥として緩効性化成肥料を施し、苗を植え付けます。開花期には終わった花がらを摘み取り、株周りを清潔に保ちましょう。つるが込み合っている場所があれば、生育期に適宜切り取って調整します。
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スズラン
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スズランは、キジカクシ科スズラン属の多年草です。原産地はヨーロッパ、東アジア、北アジアで、暑さに弱く、寒さに強い性質を持っています。開花期は4〜5月で、花色は白、ピンクなど。開花すると芳香が漂います。草丈は15〜20cmほど。スズランは全草に毒を持っているので、作業の際には必ずガーデニング用の手袋をはめましょう。
苗の植え付け適期は10月〜12月上旬、4月。建物の東側や落葉樹の足元など、真夏は半日陰になるような場所を選んで、浅めに植え付けます。開花が終わったら花がらを摘み、お礼肥に緩効性化成肥料を施しておきましょう。晩秋には休眠して地上部が枯れますが、越年して再び春には生育し始めます。数年植えっぱなしにしてかまいませんが、大株に育って込み合ってきたら、10月〜12月上旬頃に掘り上げて株分けしましょう。
オダマキ
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オダマキは、キンポウゲ科オダマキ属の多年草です。ミヤマオダマキなど日本原産の自生種と、ヨーロッパや北米を原産とする西洋オダマキがあります。宿根草の中でも特に長生きで、一度植えると20年以上変わらず美しい姿で咲き続けるものも。開花期は4〜6月で、花色は白、ピンク、赤、オレンジ、黄、青、紫、茶、黒など。
複雑で個性的な造形の花は繊細そうに見えますが、性質は丈夫で育てやすいので、ガーデニング初心者にもおすすめ。少しブルーがかった葉の美しさも魅力で、花が咲いていない期間も庭の彩りとして活躍します。強い直射日光はやや苦手なので、午前中は日向、午後は明るい日陰になる場所などで育て、夏は遮光するなどして葉焼けや高温障害を防ぐとよいでしょう。
ラベンダー
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ラベンダーは、シソ科ラベンダー属の常緑性低木で、原産地は地中海沿岸です。耐寒性、耐暑性は育てる品種によって異なるので、環境に適した品種を選ぶとよいでしょう。開花期は4〜7月で、花色は紫、ピンク、白。人気の高いハーブの一つで、花には癒やし効果を持つ香りがあります。草丈は20〜120cmほど。
植え付けの適期は10月か3月下旬頃。日当たり、風通しのよい場所に元肥として緩効性化成肥料を施し、苗を植え付けます。過湿を嫌うので、乾燥気味に管理するとよいでしょう。開花が終わったら、草丈の半分くらいまで切り戻します。大株に育ったら、古い枝や細い枝、内側に向かって伸びている枝などを選んで元から切り取り、風通しよく管理しましょう。
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ワスレナグサ(勿忘草)
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ワスレナグサは、ムラサキ科ワスレナグサ属の一年草です。原産地は世界中の温帯地域。寒さには強い一方で、高温多湿には弱い性質を持っています。開花期は4〜5月で、花色は青、ピンク、紫、白。草丈は10〜50cmほどで、品種によってスタンダードな10〜20cmのサイズと、大きく成長する40〜50cmの高性種があります。
ポット苗が多く出回るので、苗の植え付けからスタートするとよいでしょう。3月頃が植え付けの適期です。日当たり、風通しのよい場所に元肥として緩効性化成肥料を施して植え付けます。春にアブラムシが発生しやすいので、土中に粒状タイプの薬剤を混ぜておくとよいでしょう。開花期は、まめに花がらを摘んで株周りを清潔に保ちます。高温多湿を嫌い、暖地では夏越しができないので、枯れたら抜き取って処分しましょう。
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ルピナス
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ルピナスは、マメ科ハウチワマメ属(ルピナス属)の一・二年草です。原産地は北アメリカで、暑さに弱く、寒さに強い性質を持っています。開花期は4月下旬〜6月で、花色は赤、ピンク、オレンジ、黄色、紫、白、複色など。花穂を長く立ち上げて咲くので、群植するとダイナミックな景色をつくってくれます。草丈は20〜150cmほど。ポット苗が多く出回るので、苗の植え付けからスタートするとよいでしょう。
植え付け適期は3月頃。日当たり、風通しのよい場所に元肥として緩効性化成肥料を施して植え付けます。移植を嫌うので、根鉢を崩さないように扱うことがポイントです。春にアブラムシが発生しやすいので、土中に粒状タイプの薬剤を混ぜておくとよいでしょう。高温多湿を嫌い、暖地では夏越しができないので、枯れたら抜き取って処分しましょう。
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カーネーション
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カーネーションは、ナデシコ科ナデシコ属(ダイアンサス属)の多年草。冬でも茎葉を枯らさない常緑タイプです。原産地は南ヨーロッパ、西アジアで、寒さや暑さに強い性質を持っています。開花時期は、4〜6月に一季のみ咲くタイプと、開花条件が合えば春から秋まで何度か咲く四季咲きタイプがあります。花色はピンクのほかに赤、白、黄、複色などがあります。草丈は10〜30cm。
植え付けの適期は3〜5月、10〜11月。日当たり、風通しのよい場所を選び、多湿を嫌うので水はけのよい土作りをして苗を植え付けます。花つきがよいので終わった花は早めに摘み、開花期が終わる頃に草姿が乱れていたら切り戻すとよいでしょう。
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モモ(桃)
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桃は大きく分けて2種類あり、食用の実桃と、園芸品種のハナモモに分けられます。桃というと思い浮かぶのはフルーツのほうですが、私たちがひな祭りに飾る桃の花は、花を観賞するための品種で「ハナモモ」と呼び、食用の実桃とは性質が異なります。
ハナモモは、バラ科サクラ属の落葉性の花木です。原産地は中国で、耐寒性、耐暑性に優れています。開花期は3〜5月で、花色はピンク、赤、白、左記の色が混じる花もあります。
ハナモモの植え付け適期は11〜12月、または2〜3月。桃の木というと大きく育つイメージを持つ人も多いですが、鉢植えや盆栽として楽しむことも可能です。
ヤマブキ(山吹)
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ヤマブキは、バラ科ヤマブキ属の落葉の花木です。日本原産の花で北海道から九州まで分布し、一重咲きのほかに八重咲きもあります。一重咲きには実がつきますが、八重咲きには実がつきません。開花時期は4〜5月で、花色は黄色。
耐寒性、耐暑性ともに強く、育てやすいので、特別手をかけなくても毎年美しい花を楽しむことができます。水はけがよく、腐植質に富んだ土壌に植え、夏は乾燥に注意しましょう。地際から枝が次々に伸びてくるので、スペースは広めに確保しておくとよいでしょう。
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マリーゴールド
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マリーゴールドは、キク科マンジュギク属(タゲテス属)の一年草です。原産地はメキシコ、中央アメリカなどで、暑さに強く、オレンジ色や黄色などの元気なビタミンカラーが花の少ない時期に貴重な彩りとなってくれます。開花期は4〜12月で、花色は黄、オレンジ、白、赤、複色など。
マリーゴールドは、ビギナーでも種まきから簡単に育てられ、種まきの適期は4〜5月で、発芽適温は20〜25℃。苗からの栽培の場合、植え付け適期は5〜6月です。マリーゴールドはセンチュウなど害虫を寄せ付けない効果もあるので、コンパニオンプランツとして家庭菜園に取り入れるのもおすすめ。
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デージー(雛菊)
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デージーは、キク科ヒナギク属の一年草です。原産地はヨーロッパ、地中海沿岸で、寒さにはやや強く、暑さに弱い性質を持っています。本来は多年草ですが、日本の暑い夏には耐えられずに枯死してしまうので、日本では一年草として扱われています。開花期は12月下旬〜5月上旬と長く、最盛期は4月頃です。花色は赤、パステルピンク、白などで、草丈は15〜40cmほど。よく似た花のマーガレットとの違いは葉にあり、マーガレットの葉にはギザギザとした切れ込みがありますが、デージーの楕円形をしていることから見分けられます。
タネから育てた場合、植え付け適期は温暖地で11月中旬〜12月上旬頃で、ポット苗からスタートする場合は、春先まで苗が出回っているので、手に入り次第植え付けます。寒冷地で種まきした場合は、4月下旬頃に定植するとよいでしょう。
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ガーベラ
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ガーベラはキク科ガーベラ属で、南アフリカが原産地の多年草です。開花期の最盛期は春が4~6月、秋が10~11月の四季咲きで、耐寒性、耐暑性ともに強く、ガーデニング初心者にも育てやすい植物です。花色は赤、ピンク、白、黄色、オレンジ、複色があり、花形は一重咲き、八重咲き、スパイダー咲きやセミダブル咲きなど多様ですが、さらに新品種も多数作られています。
花姿が可愛らしいうえに、花言葉も「希望」や「常に前進」であることから、切り花は贈答用としても人気です。また、花が比較的大き目のため、一輪挿しにしても映えます。
ガーベラの植え付けは3~5月、9~11月に行います。日当たりと風通しのよい場所を好むため、苗の間隔は30cmほどあけて植えましょう。水はけはよくしておいたうえで、土が乾いたら水をたっぷり与えます。根から少し離れた場所に緩効性の粒状肥料置き肥をし、定期的に追肥すると育ちがよくなります。
新葉やつぼみの成長を促すためと、病害虫予防のために、花が終わったら花がらや枯れ葉はこまめに摘み取りましょう。
ガーベラを元気に育てるには、適した土作りと植え替え(定植)が必要です
ポピー
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ポピーは和名がヒナゲシ、別名が虞美人草です。原産地はヨーロッパ中部で、ケシ科ケシ属の一年草です。種類によってはアヘンの原料となるため、栽培が禁止されていますが、シャーレーポピー、アイスランドポピー、オリエンタルポピーなどはガーデニング用として栽培できます。開花期は種類により4~7月と比較的長く、花色は白、赤、ピンク、オレンジ、黄色、複色などがあり、草丈は60〜80cmになります。花形は一重咲き、半八重咲き、八重咲き、フリンジ咲きなど多様で、薄くてしわがある大きめの花弁が特徴です。耐寒性は強い一方で耐暑性に弱く、アイスランドポピーやシャーレーポピーは夏越しができません。
一年草のアイスランドポピーとシャーレーポピーは、ビギナーでも種まきから育てられ、種まき適期は一般地で9月下旬〜10月です。植え付け適期は、種から育てて育苗した場合は10〜11月、花苗店で苗を購入する場合は3〜4月です。ポピーは直根性の根を持ち、この根を傷めると生育が悪くなるので、植え付けや移植の際は丁寧に扱いましょう。
植え付けは3〜4月、10〜11月が適期で、酸性土壌を避け、日当たりと水はけのよい場所を選びましょう。肥料は元肥として緩効性化成肥料を土壌に混ぜておけば後は不要です。花がらはこまめに摘んで病害虫を防ぎましょう。3月頃にアブラムシが発生する場合があるため、見つけたら殺虫剤で駆除しましょう。