
資産運用の基本は分散投資。新NISAで高配当株を運用する際、どのように分散すればいいのでしょうか。本記事では、かつを氏による著書『買って寝るだけ! ゼロから5年で月5万円もらえる高配当株』(KADOKAWA)より一部抜粋・編集して、「負けない運用」を目指すための分散投資について解説します。
新NISA成長投資枠での高配当株の買い方
「これだ!」という高配当株が決まったら、実際にその株を買って運用することになります。ここでは新NISAの成長投資枠最大1,200万円を高配当株で運用する具体的な方法について解説していきます。
まずは高配当株の買い方です。新NISAの成長投資枠で年間に投資できるのは最大240万円。最大の240万円ずつ投資を続けると最短5年で非課税投資枠1,200万円を埋め切ることができます。
新NISAの非課税措置は一生涯続くものですから焦って最短5年で投資する必要はまったくありません。毎年240万円も資金を出せない人もいるでしょう。そういう人は毎年50万円ずつ、100万円ずつでも構いません。
また1年間のある時期にまとめて240万円すべてを投資するのではなく、毎月20万円ずつ12カ月に分けて買うといった、つみたて投資のような買い方もできます。
ただし個別株の場合、日本の株式市場では100株単位でしか購入できません。例えば、高配当株の定番である予想配当利回り3.54%の日本電信電話(9432)は1株150円前後のため、100株でも1万5,000円前後で購入できます。
一方、予想配当利回り5.77%の海運株・商船三井(9104)の株価は5,100円台。100株購入するのに51万円台の資金が必要です。
高配当株の株価は他の個別株同様に3ケタ(数百円)から4ケタ(数千円)、ときに5ケタ(数万円)までさまざま。すべて100株単位で買っていくと投資金額がバラバラになってしまいます。
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新NISA・高配当株の分散投資の方法
資産運用は分散投資が基本です。
内需株と外需株、製造業とサービス業・金融業、成長性の高い企業と業績安定の成熟企業、大型株と中小型株といったように銘柄の種類や性質を分散すれば、1つの銘柄が下がっても別の銘柄が上昇して全体として見ると安定した値動きが期待できます。
新NISAの高配当株投資では投資元本は寝かせっぱなしにして、その上澄みの株主配当だけを非課税でもらい続けることになります。
大きな値上がり益を狙うよりも安定重視で大きな含み損を抱えない運用が大切。分散投資することで大勝ちはできないけれど負けない運用を目指しましょう。
そのためにはまず、銘柄数を決めて株数ではなく金額ベースで均等に投資する必要があります。[図表1]に金額ベースで均等分散投資する方法を示しました。
例えば、5銘柄なら240万円÷5=48万円ずつ、6銘柄なら240万円÷6=40万円ずつを均等投資する形になります。
もしくは1年間で買う株を1銘柄に絞って自分が年間に投資できる金額ずつ、数年間にわたって業種が異なる複数の高配当株に分散投資する方法も考えられます。少額資金で小分けに買える単元未満株を利用する方法もあります。
いずれにしても新NISAの高配当株投資では何銘柄の高配当株を買うかを最初に決めたほうがいいでしょう。
「あれも欲しい、これも欲しい」と場あたり的に無計画に購入して、気づいたら年間240万円の枠をすべて使い果たしてしまった、となると各銘柄の保有金額にバラつきが出ます。
そうなると、保有金額の比率が高い銘柄の値動きに大きな影響を受ける不安定なポートフォリオになってしまいます。ポートフォリオ全体から得られる毎年の株主配当も、保有金額の大きな銘柄の配当利回りに引きずられてしまいます。
かつを
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※本記事は『買って寝るだけ! ゼロから5年で月5万円もらえる高配当株』(KADOKAWA)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。記載内容は当時のものであり、また、投資の結果等に編集部は一切の責任を負いません。