
文具のとびら編集部
コクヨは、才能あるデザイナーの応援と共創を目的とするプロダクトデザインの国際コンペティション「コクヨデザインアワード2025」最終審査を2025年3月15日に開催、グランプリ作品1作品と優秀賞3作品を決定した。
22回目を迎えた「コクヨデザインアワード2025」では、テーマを“prototype”とし、プロダクトデザインにおいて一般的には完成前の原型や試作品という意味で使われる言葉を、今回は「次につながる可能性をもつ原型」と捉え、未来への起点となるようなプロダクトデザインを募集した。2024年7月26日から10月9日まで作品を募集し、国内外61か国から合計1,448点(国内716点、海外732点)の作品が集まった。最終審査では、昨年11月の2次審査およびパテント調査を経て選出された9作品のプレゼンテーションと模型審査が行われ、その後、審査員による最終審議によって受賞作品を決定した。
受賞作品
■グランプリ(1作品)
「NEWRON」(作者:川田敏之さん)作品概要:人間の指先には多くの神経が集中しており、指先を刺激することで脳の働きは活性化されます。『NEWRON』は、グリップ部分に様々な形状の突起が施されたペンで、「かく」という作業と同時に指先から脳の働きを促し、創作活動をサポートする「アイデアを生み出すためのペン」です。
■優秀賞(3作品)
「スピニング」(写真左/作者:一條遥貴さん)作品概要:本についている紐、スピン。本を読んでいる間もなんとなくクルクルと弄ったり、気づいたら先がほつれていたりする細い小さな紐。スピンに芯材を入れることで、少しだけ自由な“何か”になる可能性を広げます。それは、ページを跨ぐ付箋かもしれない。次に読む人への贈り物かもしれない。読んだときの心のかたちかもしれない。本から独立した造作かもしれない。まだ名前のないものかもしれない。そんな小さな可能性の在り方。
「KAKONET」(写真中/作者:松村佳宙さん)作品概要:「」は言葉を強調し、私達の心に強く印象を残している。本や映画の「」で囲まれた言葉やセリフは時に私達を感動させ、涙を流す、笑顔を生む、幸せや勇気を与える、など感情を強く揺さぶります。私達はマグネットで何かを留める時に、同時に忘れたくないことや意識している事、想いを、心の内側にも留めているのかもしれません。KAKONETは、そんなあなたの内側にある、想いや、意識、記憶を「」を通して、より可視化し、強く印象づけ、留めるためのマグネットです。
ダイアリー「秘密」(写真右/作者:weiweichen[Gaowei Liuさん、Cheng Chenさん])作品概要:日記帳とは何か。それは、私たちの心に隠されている「秘密の言葉」だと思います。日記帳の横線を中心に向かって収縮させることで、「秘密の言葉」が、まるで奥深くに隠れているかのように感じられます。
なおトロフィーは、今年のテーマ「prototype」を受け、受賞作品が示す「未来へのベクトル」を抽象的に表現した。キービジュアルで表現された複数の矢印は、トロフィーでは試行錯誤を経て一つの方向性へと昇華され、次の未来を力強く指し示している。表面に施された色泥漿による複雑な模様は、アイデアの試行錯誤から生まれる創造の軌跡を表している。また、ファイナリストに授与された表彰状はキービジュアルの「矢印」を使用し、素材感を出すためにチップボールを採用した。

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