巨人の坂本勇人が野球人生の岐路を迎えている。

再昇格は「時間がかかるかもしれない」

プロ19年目の2025年シーズンはここまで11試合の出場で打率.129、0本塁打、2打点。開幕から快音が聞かれず、笑顔が見られない。

4月3日の中日戦(バンテリンドーム)で初安打を放ち、2本の犠飛で移籍後初登板した同学年の田中将大の白星をアシストしたが、その後も打撃の状態が上がらなかった。

15日のDeNA戦(横浜)の試合前練習に参加したが、首脳陣と話し合ってファームで再調整が決まった。1軍に昇格するメドは立たず、打撃フォームを見つめ直すことになるが、スポーツ紙デスクは「時間がかかるかもしれない」と懸念を口にする。

「今までも打撃不振の時がありましたが、これほど深刻なのは初めてでしょう。150キロを超える直球を強く弾き返せず、変化球に下半身が踏ん張れず泳いでしまう。技術的なメカニズムを修正する引き出しは多く持っているはずなのに、対処できないというのは相当重症だと思います」

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高卒2年目から定位置をつかんだが…

23年も開幕から22打席無安打と打撃不振が続いたが、その後は軌道修正して打率.288、22本塁打、60打点をマーク。好不調の波が少ないのが坂本の強みだったが、昨年は異変が起きていた。

遊撃から三塁にコンバートされて守備の負担が軽くなると見られたが、109試合出場で打率.238、7本塁打、34打点。三塁で自身初のゴールデングラブ賞を獲得したが、打撃で好調の時期が短く納得できるシーズンではなかった。

三塁の定位置を保証されず巻き返しを誓った今季だが、打撃不振がさらに深刻になっているように映る。

高卒2年目から定位置をつかんで通算2419安打を積み重ねたが、ここからはい上がれないようだと野球人生の危機を迎える。再び輝きを取り戻すことができるか。(中町顕吾)