トヨタは日産の新型リーフを意識している?
しかし、ユーザーから「使いにくい」という声が挙がったため、トヨタは電池の制御を改良した経緯がある。23年10月のマイナーチェンジでは「駆動用電池充電警告灯点灯からSOC(State of Charge=充電量)約80%までの充電時間を最大30%削減した」と発表した。
さらにトヨタは25年10月9日、bZ4Xのマイナーチェンジを行った。航続距離は従来比25%増の746キロ(WLTCモード)と、国内勢では最長となった。ライバルの日産が26年1月に発売する新型「リーフ」の航続距離は702キロだ。実際の走行では大きな差がないともいえるが、カタログ数値上はbZ4Xが新型リーフを上回った。
さらに今回のマイナーチェンジで、トヨタはbZ4Xを70万円値下げし、480万円からとした。新型リーフは518万円台からで、トヨタが新型リーフを意識しているのは間違いないだろう。
航続距離を延ばそうとすると充電に時間がかかる矛盾
日本国内で購入できるEVとしては、米テスラ「モデル3」が航続距離766キロで531万円台から。中国・比亜迪(BYD)の「ドルフィン」は同123キロで299万円台から、「アット3」は同470キロで418万円台からなどとなっている。
このほか日本勢では日産がリーフの上級車として「アリア」を発売している。ホンダとマツダは国内でもEVを発売していたが、現在はカタログから消えている。軽の乗用EVは日産、三菱自、ホンダが発売しており、BYDも26年夏に参入する予定だ。
EVの航続距離は、搭載するリチウムイオン電池の容量の違いといえる。電池の容量が増えれば、航続距離は伸びるが、満充電まで時間がかかる。車重や車両価格が上がるというデメリットもある。
このため、軽EVは航続距離が短く、小型・普通車は価格の高い上級車ほど航続距離が長くなる傾向にある。
通勤や買い物など、近距離移動のセカンドカーとして軽のEVは使いやすいかもしれない。しかし、ファーストカーとしてbZ4Xやリーフなど小型・普通車のEVを購入するには、ちょっとした「覚悟」がいるだろう。
自宅が一戸建てで、ガレージに普通充電器を設置できればよいが、マンションなどでは難しい。
普通充電は3~6kWの出力で、満充電まで数時間から10時間以上、場合によっては20時間以上かかる。電池容量の少ない軽EVから短時間で済んでも、bZ4Xやリーフなど小型・普通車のEVでは、一晩以上かかるかもしれない。自宅やマンションに普通充電器がなければ、近所の充電施設を探さなくてはならないだろう。