インバウンドと円安が後押し
とんかつ市場の活性化には複数の要因がある。
第一に、インバウンド需要の拡大だ。天のめしのようにインバウンド客が多い店舗も登場しており、訪日客の増加が市場全体を押し上げている。
第二に、円安の影響だ。日本国内では高単価に見えるとんかつも、海外通貨建てで見れば割安感があり、海外展開の追い風となっている。串カツ田中HDや京都 勝牛が積極的に海外出店を進める背景には、こうした為替環境も影響している。
インバウンド需要の取り込みと現地出店の両面で、とんかつは日本食の新たな輸出戦略の柱として位置づけられつつある。
1つの店舗で2つの業態 効率化の鍵
松のやが採用する併設店モデルは、外食チェーンの効率化戦略としても注目されている。松屋と松のやを1つの店舗で提供することで、面積が大きい物件にも出店可能となり、家族連れやグループ客の多様なニーズに応えることが可能になる。
併設店では調理設備や人件費を共有できるため、単独店と比較してコスト削減効果も見込める。松屋フーズHDは今後もこのモデルを拡大する方針で、とんかつ市場における同社のプレゼンス強化につながると見られる。
今後は各社の差別化戦略――具体的には高級路線、低価格路線、併設店、専門店などがどのように消費者に受け入れられるかが焦点となる。とんかつ市場の熱は当面続きそうだ。