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今年の東大合格者数で見えた進学校の“最新勢力図”。昨年比33人減の“超名門校”は「凋落してしまった」のか

今年の東大合格者数で見えた進学校の“最新勢力図”。昨年比33人減の“超名門校”は「凋落してしまった」のか

―[貧困東大生・布施川天馬]―

 2026年も長く続いた受験の冬ですが、そろそろほとんどの大学の合否発表が出そろってきました。

 これから後期日程の受験がある方もいらっしゃいますが、新居探しや入学手続きで忙しくする方も多いのでは。

 個人的な注目は、やはり3月10日の東京大学合格発表。

 今年は「御三家」と名高い開成高校が史上最高クラスの合格実績をたたき出したり、近年失速気味だった巣鴨高校が13名の合格者を輩出したりと、多くのニュースがありました。

 東大の合格実績は、進学校における人気の指標。これを見て、来年の受験者数は大きく増減しますから、どの学校も必死です。

 一方で、昨年から30名も大きく数を減らした横浜翠嵐高校や、「御三家」の一角ながら開成・麻布に水をあけられている武蔵高校など、一見すると凋落したようにも見える学校も。

 しかし、高校研究家として活動する現役東大生の村瀬理紀さんは「決して落ち目ではなく、長い目で見れば納得できる理由がある」と話します。

 今回は、「東大合格者数増減の裏側」について伺います。

村瀬理紀
村瀬理紀

◆凋落ではなく平常化

ーー今年の東大合格者数にて、横浜翠嵐高校は前年より33名減と、大きく数を減らしてしまったようですが、これには原因があるのでしょうか?

村瀬:これは、去年との比較をしていること自体が間違いなんです。

 ここ数年、同校の東大合格者数は40~50名程度で安定しており、2023年・2024年はともに44名でした。しかし、2025年に偶然が集中したのか、74名の合格者を輩出した。

 これは翠嵐の歴史から見てもかなり高い数字で、むしろ74の方が例外的な数字なんです。

 だからこそ、私は「いつも通りに戻った」とみています。とはいえ、去年の74名合格がもたらす影響は非常に大きい。

 なぜなら、今年横浜翠嵐を志望した方は、みんな「東大合格74名の名門校」を意識して受験していると考えられるからです。

 東大志望や東大を検討するようなエリート層は、こぞって同校に出願したでしょう。もちろん入試選抜はさらにハイレベルになり、例年よりも優秀な生徒が多数入学しているはず。

 となれば、今年の受験を勝ち抜いて横浜翠嵐に入学する新高校一年生の代からは、やはり多くの東大合格者が出ると予想できる。

 これは、受験における「4の法則」と呼ばれています。ある年の合格実績が、その4年後の合格実績に影響する傾向がある、とする説です。

◆「御三家」は受験強豪校の称号ではない

東京大学
ーー翠嵐のように数字が変化する学校がある一方で、一定の水準をキープし続けている学校もありますよね。

 例えば、いわゆる御三家(開成・麻布・武蔵)は中学受験でも非常に人気が高い学校ですが、開成(197名)麻布(77名)に比べて、武蔵は23名と大きく差が着いている印象があります。どうしてこのような差が生まれるのでしょうか?


村瀬:そもそも、武蔵高校は戦前に設立された日本初の私立7年制旧制高等学校であり、開成・麻布にも劣らない歴史の深さを持った、由緒正しい伝統校です。

 近年の中学受験ブームでは、どうしても進学実績ばかりが注目されがちですが、本来「御三家」とは、こうした歴史や伝統、品格などを含めたブランド価値までを指した尊称。

 勉強ができればいいとか、受験に強ければいいとか、そういうものではありません。

 とはいえ、進学実績が目立つのも確かです。開成高校は過去最多レベルの東大合格者を記録しました。

 なんなら東大入試始まって以来の現役合格者数であり、これは大ホームランといっていい。麻布も77名であり、例年並みとはいえ、やはりかなり多い数字。

 一方、武蔵は全盛期こそ80名以上を記録したにもかかわらず、近年はずっと20~30名で停滞中。こればかりを見ると「武蔵も凋落した」と感じるかもしれませんが、大きな間違いです。


配信元: 日刊SPA!

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