
孫は配信や介護に苦労はあるのか。激動の時代を生きぬいた彼女が、若者に伝えたいメッセージは何なのか。お二人に話を聞いた。
◆大変な人に「一瞬でもほっとできる時間を届けたい」

孫:1年前に母から「おばあちゃんとの日常をTikTokに載せてみたら?」と言われたことがきっかけでした。当時の僕はSNSは何もやっていなくて、TikTokなんて未知の世界だったんです。でも、母は僕たちのやり取りをよく見ていて「癒やされる人がいるかもしれないよ」と。
——おばあちゃんにはどのように説明したのですか。
孫:「動画を撮って、知らない人に見られるかもしれないよ」と話したら「少し恥ずかしいけど大丈夫だよ」と返事をもらって。両親と祖母と住んでいたので、すぐに撮り始めました。
——実際に撮影を始めて、苦労はありましたか。
孫:NGテイクはあまりなくて、撮影そのものの苦労はあまりなかったです。ただ日常を切り取っているだけで、あまり気負わずにスタートしたので。だから、ここまでたくさんの人に見られると思っていませんでした。知り合いから「これってそうじゃない?」と連絡がきて、びっくりしましたね。仕事で疲れていても、配信しなきゃいけないときがあることは大変ですが……。
——お孫さんは、普段は何をされているのでしょう?
孫:ドラッグストアで、夕方から夜のシフトで働いています。「毎日癒やされています」というコメントがモチベーションになって、配信を続けられていますね。
仕事や勉強だったり、人それぞれ大変なことがあるけど、一瞬でもほっとできる時間を届けたいと思っています。
◆「やらせでしょ」というアンチコメントも

孫:開始直後は好意的なコメントばかりでした。でも、登録者数が1万人を超えた頃から、不思議な言動をする祖母に「やらせでしょ」「言わせてるでしょ」というコメントがくるようになって……。それらに別の方が反応して、コメント欄でケンカが起きたことがありました。見ていて苦しかったですね。
——日常生活を発信していますが、どこまで見せる、という線引きはどう考えていますか?
「癒やされる」と思ってもらえるものを発信する、ということが基準です。「これは面白いけど、癒やされはしないな。家族で見たら面白いけど、世間では違うな」というものは発信しません。
たとえば、祖母の入れ歯を取った姿って、かわいいんです。はむはむ、という感じでしゃべってて(笑)。でも、入れ歯をしていない姿を他人が見たら、どう思うだろう? そもそも祖母の気持ちはどうなの? と思い、載せていません。
——ご高齢ですと、撮影中のハプニングなどもありそうです。
孫:おやつを食べている動画をよく撮るのですが、年齢的にむせちゃうんです。そういうときはストップしています。あとは、祖母が面白いワードを言ったときに、カメラがまわっていないと「しまった!今の撮りたかった!」と(笑)。
——衝突することはありますか?
孫:祖母は外に出るのが好きじゃないから、病院に行くときは嫌そうな顔をするんです。でも「行くしかないよね~」とニコニコして折れてくれますね。僕が14歳の頃から一緒に住んでいますが、昔から穏やかで、怒ったところは見たことがありません。誰にでもやさしくて、ケアマネジャーさんにも「お気をつけて」と言うくらい。
おばあちゃん:やさしいわけじゃないんだけどね~(笑)。

