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〈年金月18万円〉を見込む男性が受給額を最大化させるには?寿命で明暗分かれる「繰り上げ・繰り下げシミュレーション」【FPが「年金受給の損益分岐点」を解説】

〈年金月18万円〉を見込む男性が受給額を最大化させるには?寿命で明暗分かれる「繰り上げ・繰り下げシミュレーション」【FPが「年金受給の損益分岐点」を解説】

「公的年金」の受け取り時期は、60歳から75歳までの期間で自由に選択が可能です。定年後の所得の有無や、想定寿命などの条件によって、それぞれ大きく異なる年金受給の「ベストタイミング」を、私たちはどのように考えるべきなのでしょうか。本記事では、服部貞昭氏の著書『知れば知るほど得する年金の本』(三笠書房)から一部を抜粋・編集し、累計の年金受給額を最大化する「繰り上げ・繰り下げの損益分岐点」について解説します。

年金は何歳からもらうのが一番お得?

いつから年金をもらい始めると一番お得なのか解説していきます。

年金をもらい始めるベストタイミングは、現役時代の年収、他の収入(所得)の有無、想定する寿命によってまったく異なります。そこで、ここでは一般的なケースをいくつか解説していきます。

まずは、額面の金額ベースで見ていきます。年金をもらい始めるタイミングのことを、以降、「受給開始年齢」と表現します。

繰り上げでは、損益分岐点となる年齢は、単純に次の式で計算できます。

受給開始年齢+20歳10カ月

繰り上げの損益分岐点とは、繰り上げた場合の累計受給額より、65歳から受給開始した場合の累計受給額が多くなる場合の年齢のことです。

たとえば、60歳繰り上げでは、損益分岐点は80歳10カ月です。この場合、80歳9カ月までは、60歳繰り上げの累計受給額のほうが多いのですが、80歳10カ月以降は、65歳受給開始の累計受給額のほうが多くなります(年金の受給額によっては、80歳10カ月でちょうど同じになる場合もあります)。

計算元:ZEIMO 年金繰上げ・繰下げ受給シミュレーション [図表1]60歳繰り上げ vs 65歳受給開始の損益分岐点 計算元:ZEIMO 年金繰上げ.繰下げ受給シミュレーション

男性の平均寿命は81.09歳ですので、平均寿命より寿命が短い男性は60歳繰り上げのほうが有利ということになります。ちなみに、厚生労働省の「令和6年簡易生命表」によると、84歳まで生存する男性の割合は約50%ですので、中央値の年齢は84歳です。そう考えると、半数以上の男性は65歳から受給開始のほうが有利です。

繰り上げの年齢が何歳であっても損益分岐点は単純計算できます。61歳繰り上げの損益分岐点は81歳10カ月、62歳繰り上げの損益分岐点は82歳10カ月となります。

ここで、具体的な金額でも比較してみましょう。男性の老齢厚生年金の受給額(基礎年金と厚生年金の合計額)で最も多いのは月額18万円台ですので、65歳から受給開始する場合の年金受給額を月額18万円と想定します。

60歳繰り上げの生涯受給額を、65歳受給開始の生涯受給額と比較します。やや若くして75歳で亡くなった場合は、60歳繰り上げのほうが約300万円得になります。損益分岐点の80歳10カ月なら損得はなしです。逆に、長生きして90歳で亡くなった場合は、約470万円損をします。

繰り下げ受給の損益分岐点

次に繰り下げでは、損益分岐点となる年齢は、次の式で計算できます。

受給開始年齢+11歳11カ月

繰り下げの損益分岐点とは、繰り下げた場合の累計受給額が、65歳から受給開始した場合の累計受給額よりも多くなる場合の年齢のことです。

たとえば、70歳繰り下げでは、損益分岐点では81歳11カ月です。この場合、81歳10カ月までは、65歳受給開始の累計受給額のほうが多いのですが、81歳11カ月以降は、70歳繰り下げの累計受給額のほうが多くなります(年金の受給額によっては、81歳11カ月でちょうど同じになる場合もあります)。

男性の寿命の中央値は84歳ですので、半数以上の男性は70歳繰り下げのほうが有利ということになります。

計算元:ZEIMO 年金繰上げ・繰下げ受給シミュレーション [図表2]70歳繰り下げ vs 65歳受給開始の損益分岐点 計算元:ZEIMO 年金繰上げ.繰下げ受給シミュレーション

具体的な金額でも比較してみます。さきほどと同じく、65歳から受給開始する場合の年金受給額を月額18万円と想定します。

70歳繰り下げの生涯受給額を、65 歳受給開始の生涯受給額と比較します。長生きして90歳で亡くなった場合は、70歳繰り下げのほうが約730万円得になります。損益分岐点の81歳11カ月なら損得はなしです。逆に、やや若くして75歳で亡くなった場合は、約620万円損をします。

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