声をかけ続けることで途切れないつながりを生む
会員数やMIKANカップ出場者は年々増え、教室でスポーツに親しんだ子どもたちが高校や大学で競技を続けるケースも増えているそう。その背景には、2010年の団体設立時から事務局長を務める大和田幸弘(おおわだ ゆきひろ)さんの存在があると、半澤さんは話します。
半澤さんが大和田さんと出会ったのは町代表駅伝チーム。当時中学生だった半澤さんは、8歳年上の大和田さんに気にかけてもらい、大学進学で一度広野町を離れたあとも連絡を取り合っていました。大学卒業後はいわき市内の企業で幼児向けスポーツに関わっていましたが、大和田さんの誘いで広野町に戻り、みかんクラブに入職しました。
「大和田さんは周りに目を配り、なにかと声をかけています。その積み重ねが、教室やチームを離れても関係が途切れない、人のつながりを生んでいると感じます。かつてみかんクラブに通っていた子が昨年大学を卒業して広野町に戻り、今は私とともに小学生の指導にあたっています。その姿に現在通う子どもたちが憧れを抱く様子も見られ、よい循環だと思います」

大和田さんと同様、半澤さんもまた、子どもや保護者に自ら声をかける姿勢を大切にしている
週1回の教室が遊び場や居場所にもなっている
2025年4月から始まった幼児スポーツ教室は、毎週水曜16:00〜17:00に開講。2026年2月現在、約10人が通っており、取材したこの日は6人が参加しました。指導者は半澤さんを含め3人と手厚く、元気なあいさつから準備運動、マット運動や逆立ち、なわとびまで、子どもたちの歓声が響く、あっという間の1時間でした。
教室に参加する子どもの保護者に感想を聞きました。
「年少・年中・年長が対象のクラスなので、はじめは年長の兄だけが参加していました。ある日、たまたま参加者が少ない日に3歳の妹が勝手に混ざりに行ってしまって、そのまま一緒にやらせてもらうようになりました。今では2人で楽しく通っています」(6歳・3歳の兄妹の保護者)

「9歳の兄は年長の時から半澤先生の教室に通っており、人見知りな年中の娘も先生とは顔なじみのため、安心してクラスに入ることができました。兄はかけっこやフットサル、小学生体操教室に参加し、娘も混ざってなわとびを覚えました。みかんクラブは1回100円で気軽に通えるうえ、友達や優しい先生がいる点も親として安心できる理由です」(9歳・4歳児の保護者)

「通い始めたきっかけは、仲よしの子が来ていたから。一度も嫌がらず、毎週楽しそうに通っています。跳び箱は3段、鉄棒や前回り、なわとびもできるようになりました。遊びながら楽しむことで身についているのでしょう。夏は教室後も体育館の外で遊び、家を行き来して遊ぶことがなかなかない今の子どもたちにとって、大事な遊び場にもなっていると感じます」(6歳児の保護者)
幼児スポーツ教室に通う子どもの保護者は、教室が終わるまで会場に残る人が多いそう。おしゃべりや情報交換をしている様子に、「お母さんたちにとっても、居場所のような、大事な時間と場所になっているんだなと思います。こうした営みが少しずつコミュニティになっていくのかもしれません」と半澤さんは話します。


