「家族以外と話さない毎日に、社会とのつながりが欲しくなったんです」
2022年、旦那さんの仕事の都合で東京から福島に移住した積田正恵さん。18歳まで福島県で育った積田さんにとっては、慣れ親しんだ場所へのUターン……のはずでした。
「小学生の息子が2人いたので、Uターン当時は専業主婦でした。でもいざ故郷に戻ってきたら、友人や同級生の多くはすでに地元を離れていました。両親と同居していたこともあり、家にいても次第にやることがなくなってしまって」
周囲から「仕事は何をしているの?」と聞かれることも多く、何より家族以外と話すことがほとんどない毎日に、不安を覚えた積田さん。仕事を探すことにしました。

積田さんの2人の息子さん
そうして出会ったのは、田村市にあるテレワークセンター「テラス石森」。ここで、コミュニティマネジャーとして働くことになります。
「コミュニティマネジャーの仕事をひとことで説明するのは難しいのですが、個性豊かな人が集まるテラス石森での新たな出会いや、ちょっとした会話を通して生まれる新しい挑戦、その流れをつくるのが私の役割かなと思っています。
移住してきた人や、地域の人が抱いた『これやってみたい!』『挑戦したい!』という想いに寄り添い、実現するためのお手伝いをしています」
ここが、社会とのつながりを求めていた積田さんの新しい居場所となりました。自身の移住経験も重ねて、積田さんは話します。
「移住後に孤独を感じた時、誰かと話したいとき、そんな時にもぜひ立ち寄ってほしい施設です」

テラス石森でコミュニティマネジャーとして働く積田さん
「やってみたい」を応援するのが、テラス石森
テラス石森は、旧石森小学校を活用したテレワークセンター。
田村市で新しい挑戦をしたい人を支える場所として、2018年にオープンしました。コワーキングスペースやレンタルオフィスの運営、移住相談やイベントの開催などを通して、新しい活動や交流が生まれる場所として利用されています。

テラス石森内にあるコワーキングスペースの様子
そのテラス石森でコミュニティマネジャーとして働き始めた積田さん。
具体的には、イベントの企画・運営、施設の管理や利用者対応などを行っています。また利用者の「こんなことをやってみたい」「誰かとつながりたい」という声をもとに、活動の相談に乗ったり、人と人をつないだりしながら、新しい挑戦や関係性が生まれるきっかけをつくることも大切な役割です。
「企画から運営まですべてやるので大変なことも多いです。でも、利用者の声を直接聞けること、何かを始めたい、挑戦したいと思っている人たちのエネルギッシュな活動を間近で見られることは、この仕事の面白いところだと思います」

出展イベントにて
1人ではできないことも、仲間がいれば無限大
現在積田さんが力を入れているのが、地域のコミュニティ作り。
「何か問題があったとき、1人では声を上げるのが難しくても、仲間がいれば心強いですよね」
例えば、自分もママだからこそ気になっていた「子育て世代が集まる機会が少ない」という課題。今、テラス石森の利用者と一緒になってパパママ向けのイベント(ランチ会や親子ダンス教室など)を定期的に開催しています。
他にも、「あそ部」と称した趣味を通してのコミュニティ作りにも力を入れています。卓球やカードゲームなど、『好き』に本気で向き合える、語れる、仲間を作れる、そんな時間と場所です。
「テラス石森が1つの拠点となってコミュニティができることで、そこから新たな活動が生まれてくれたらいいなと思っています」
またテラス石森では、何かに挑戦したい人の最初の一歩を後押しするため、月に一度「イベント開催枠」を設け、施設利用料を無料で提供しています。
読書会や写真撮影会、ソーイングワークショップなど、利用者自身の「やってみたい」から生まれたさまざまな活動がここから広がっています。

あそ部で取り組んだ卓球の様子

