熟年再婚に潜む“見えないリスク”
山本さんのように、再婚をきっかけに老後の家計が崩れてしまうケースは少なくありません。特に、長く独身だった人ほど孤独への不安が強く、「相手を失いたくない」という心理から、相手の金銭感覚や価値観を見極める前に関係を深めてしまいがちです。経済力のある男性であれば、相手やその家族の生活まで背負おうとしてしまうこともあります。
当然のことながら配偶者選びは、人生設計を大きく変えるもの。仮に離婚となれば、財産分与や年金分割によって老後資産が大きく減少する可能性も。結婚を意識した段階で、お互いの将来像を共有できているか、金銭感覚が大きくズレていないか、子どもの教育費をどう負担するのかなど、これらを具体的に話し合い、建設的に話ができる相手かどうかを見極める必要があるでしょう。
また、年の差婚の場合は年金受給のタイミングがずれるため、将来の家計をシミュレーションし、対策が必要な問題点等も事前に見える化しておくことも重要です。
お互いの将来設計や家計のシミュレーションを行い、お互いが主体的となって家計を運営していく姿勢をみせられるかも相手を見極めるポイントの一つです。結婚を決める前にライフプランニングを行い、将来の家計のことを話し合ってみることをお勧めします。
将来のお金と孤独の不安を解消するには
厚生労働省の「令和4年 国民生活基礎調査」によると、高齢者世帯の約半数が「生活に不安がある」と回答しています。老後資金への不安は多くの人に共通する課題ですが、その原因は収入不足だけではありません。
今回のように、人間関係やライフスタイルの選択によって家計が崩れるケースも少なくないのです。老後の安心とは、単に資産を持つことではなく、「持続可能な生活設計」によって支えられます。そして、パートナー選びにおいてはその生活設計を共有でき、前向きに考えることができるかどうかも重要なポイントです。
孤独を埋めるための選択が、将来の不安を増やす結果にならないように決断をする前にじっくり自分と向き合い考えたいところですね。
小川 洋平
FP相談ねっと
ファイナンシャルプランナー
