独特の「雰囲気」や「人間関係」
子育てはしやすいと感じていますが、一度外に出たからこそ見える地元の課題もありました。
「地元での人間関係の独特さを経験したことで、自分に合った働き方や居場所を考えるきっかけになりましたね。」と、正直に語ってくれました。
自宅でリモーワークを始めますが、人と関わり、地域に寄り添う働き方を望むようになったタイミングで市役所の求人と出会います。
リモートワークの際に使うパソコンのことで相談に乗ってもらっていた方から勧めでした。実際に市役所で働くようになって、約8ヶ月。
【蓑手さん】「まだ探り探りですが、仕事とプライベートをそれぞれ大切にしている方が多い感じがして、働きやすいなと思っています。」
利用者目線で気づいた行政サービスの改善点
2025年7月から、市の移住定住相談員として公の立場で働く蓑手さん。
現在は、お試し住宅の利用希望者への対応や、移住に関する問い合わせへの案内などを担当しています。

自身の経験を活かし、移住を検討する人に寄り添った提案を心がけているそうです。実際に行政の一員として働くなかで、蓑手さんは「市民の立場から見て、もっと良くできる部分がある」と感じることもあると言います。
【蓑手さん】「たとえば、窓口に行った際にささやかなやりとりや笑顔があるだけで気持ちが少しホッとすることがありますよね。市の窓口は“そのまちを感じる最初の場所”。だからこそ、親しみやすい雰囲気があることで、初めて来た方も安心できるのではないかと感じています。」
小さなことで、まちの印象は変わる――日々のやり取りの中で、そう実感しているそう。また、制度や手続きに関しても、「どうすればもっと分かりやすく、初めての方にも安心して利用していただけるか」そんな課題を感じているそうです。「必要な書類をまとめて教えてもらえたら助かるのに…と思うこともあります。最初に“これも必要ですよ”と一言添えてもらえたら、どれだけ助かるか」と、ご自身もひとり親として数々の手続きを経験してきたことから、利用者の立場に立った情報提供の必要性を強く感じています。「私のように、起業など特別な理由ではなく、現実的な生活のために帰ってくる人もいると思うんです。だからこそ、生活者の目線で、行政のサポートをもっとわかりやすく伝えていきたい」と蓑手さん。

「楽しむ気持ちを大切にしながら、少しずつ前向きな変化を積み重ねていきたいと思っています。」そして、力強くこう続けました。
【蓑手さん】「仕事や子育て、生活のために移住してくる人たちが安心して暮らせるように、私が自分の言葉で伝えていきたい。キラキラした移住のイメージもありますが、まずは安心して暮らせる環境が大切だと思っています。」
これまでの経験を通して感じた課題を前向きに捉え、同じようにいちき串木野市での暮らしを始める人たちに安心を届けたい――。蓑手さんは、そんな思いを胸に、日々の仕事に向き合っています。

