多忙なマッキンゼーのコンサルが子どもを4人も育てられる理由
育児、掃除、洗濯、料理、買い出し、……休日は「休み」とはいえ、実際にはやることが山ほどあります。特に仕事を持つ人にとって、週末は貴重な「休息」であるはずなのに、現実は、家事や育児で終わってしまうことが多いのではないでしょうか。
マッキンゼーで働いていたとき、驚いたのは、女性コンサルタントの多くが、仕事と家庭を両立させていたことです。なかには子どもが3人、4人いる人も珍しくありませんでした。特に当時のフランスオフィストップのマネージングディレクター(女性)は、マッキンゼーで、フルタイムで働きながら、4人の子どもを育て上げていたのです。
夜遅くまで会議が続き、メールのやりとりが終わるのは24時。それでも、彼女がキャリアをあきらめずに家庭も成り立たせていた秘訣は何か。それは、徹底したアウトソーシングでした。
支払った費用の最大50%が税控除されるヘルパー代
フランスでは、子どもの世話や家事をサポートする住み込みのヘルパーさんが多く、ヘルパーさんが朝から晩まで、掃除、洗濯、食事の準備、子どもの送迎まで、家庭のあらゆることを担ってくれます。
「そんなの高額なんじゃ?」と思われるかもしれませんが、実はそうでもありません。たとえば、フランスでは家庭用ヘルパーさんを個人で簡単に雇うことができ、支払った費用の最大50%が税控除として戻ってきます。
また、掃除代行サービスも非常に身近な存在です。政府補助を受ければ、1時間あたりたったの12.5ユーロ、日本円で2250円(1ユーロ=180円換算)。買い出しもオンライン注文とデリバリーを活用すれば、時間の節約になります。
こうした仕組みを上手に使うことで、フランスの多くの働く人たちは、「休日の時間」を意識的に確保しています。休日を家事や育児で終わらせるのではなく、家族と過ごす時間や、自分の心を満たす時間に使う。そのために、「お金」ではなく「時間」を優先するという考え方が根付いているのです。
日本でも家事代行サービスは増えつつあります。掃除だけ、料理の作り置きだけ、月1〜2回だけ、といった部分的なアウトソーシングから始めることは十分可能です。
また、すべてを「人」に頼らなくても、テクノロジーは強力な味方です。ネットスーパーや、ロボット掃除機、食洗機などは、初期投資こそ必要ですが、日々の家事の時間と労力を確実に減らしてくれます。
完璧を目指さない
もう1つ大切なのは、完璧を目指さないことです。「家事は自分でやるべき」という無意識の思い込みが、アウトソーシングへの心理的ハードルを高くしています。すべてを任せられなくてもいい、理想通りでなくてもいい。10の負担を7に減らすだけでも、心と時間には大きな余白が生まれます。
日本では制度や文化が追いついていない部分もありますが、だからこそ、1人ひとりが「時間をどう使いたいのか」を意識的に選ぶことが重要です。限られた時間の中でも、自分のエネルギーを本当に使いたい場所に集中させる。その積み重ねが、長いキャリアを無理なく続けるための現実的な戦略となるのです。
