5匹でも油断禁物。アブラムシは“今”止める!

春の庭で、気づけばいつの間にか増えている代表格がアブラムシです。まだ本格的な大発生には至らないこの時期でも、新芽の先やつぼみの周囲をよく見ると、5〜6匹ほどの小さな集まりができていることがあります。ほんの少しの数だと「このくらいなら」と見過ごしてしまいがちですが、ここが最初の分かれ道です。

5〜6匹くらいならたいしたことがないように見えても、アブラムシは驚くほど増殖の早い害虫です。メスだけで子を産み、条件がよければ1匹の成虫が1週間で最大80匹前後を増やすこともあるとされるため、5〜6匹を放っておくと1週間後に400匹になることもあり得るのです。

その有様はあまり想像したくないですが、見た目の不快感だけにとどまらず、アブラムシは植物の汁を吸うため新芽の伸びが悪くなる、葉が縮れる・巻く、黄化する、全体の生育が鈍るといった症状が出ます。さらに厄介なのは、アブラムシが出す甘い排泄物である「甘露(かんろ)」です。これによってすす病が出たり、種類によっては植物ウイルスを媒介したりするため、数が増える前の対処が大切です。

特に見たいのは、新芽の先端、つぼみの付け根、葉裏。
勢いよくのびているところ、やわらかくてみずみずしい部分ほど要注意です。まだ少数のうちなら、見つけて取り除いたり、必要に応じて対策資材(後述)を使うことで、増殖を抑えやすくなります。
そのつぼみのしおれ、水切れではなくバラゾウムシかも!

春のバラを育てるなら、ぜひ知っておきたいのがバラゾウムシです。
体長は2mmほどと小さく、黒っぽく目立たないため、知らないと見逃しやすい虫ですが、新芽やつぼみに与えるダメージは決して小さくありません。

バラゾウムシは、新芽やつぼみの下に穴をあけて加害し、その先をしおれさせます。すると、順調に育っていたはずのつぼみが、ある日急にうなだれたり、新芽の先だけがくたっと力を失ったりします。ぱっと見では水切れや風の影響のようにも見えるため、原因に気づかず「なんとなく調子が悪い」で済ませてしまいやすいのが厄介なところです。

でも、春のバラで「一部だけが不自然にしおれる」「つぼみの下に違和感がある」ときは、バラゾウムシを疑ってみる価値があります。特に被害がこたえるのは、買ったばかりの若い株や、まだ花数の少ない株です。つるバラのようにたくさん咲く品種なら多少の被害は目立ちにくいかもしれませんが、これから育てていきたい株の限られたつぼみが傷むと、その痛手はとても大きいものです。

バラゾウムシ対策で何より大切なのは、まずよく見ること。新芽やつぼみをこまめに観察し、しおれた部分があれば付け根まで確認する。本体や被害箇所を早めに見つけられれば、被害の広がりを抑えやすくなります。
バラは手をかけた分だけ応えてくれる花。だからこそ、春は水やりや施肥だけでなく、 “虫がいないかを見る習慣”もセットで行いたい季節です。
