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正し過ぎるAI時代に“間抜け”な与太郎が金持ちになる与太噺を一席

“間抜け”が組織に“問い”をもたらす!?

経営学者ピーター・ドラッカーは「マネジメントはリベラルアーツである」と語った。哲学や文学、歴史など、人間を理解するための知が経営には必要だという意味である。つまり経営とは、技術や手法だけではなく、人間という矛盾を扱う営み。

企業は利益を出さなければならない。経済合理性はもちろん大事だ。だが、人間は合理性だけで働くわけではない。希望や誇り、面白さや納得感。そういうものがなければ、人は本気で働くことができない。

炭鉱が主要産業だった頃、その現場には「スカブラ」と呼ばれる労働者がいた。語源は「仕事が好かんとぶらぶらしている」から…。彼らは、炭鉱に降りても皆と同じように作業をすることなく、面白い話をして皆を笑わせたり、お茶を出して労わったり、労働者たちを慰めるようなことをしていた。組織にも、これと似た役割があるのではないかと思う。“間抜け”が現場の空気を変えて、みんなの言葉を整えるための“問い”を差し出す役割を担っている。

与太郎が金持ちになる小噺を一席。

えー、ここで小噺を一席!!
近ごろ世の中、たいそう賢いもんが出てきたそうでございましてね。
なんでも「生成AI」ってぇらしい。

質問をすりゃあ、すぐに答えが出てくる。文章も書ける、計算もできる、商売の分析までやってくれる。いやはや大したもんでございます。

会社の会議でも、みんなそのAIさんってやつを頼りにしておりまして。
「AIの分析では、この商品が売れるそうで」
「AIのデータによると、この市場が有望だそうで」
みんな感心して、うんうん頷いている。

ところが、会議の隅っこに、ぼんやり座ってる男が一人おりましてね。
こいつがどうにも要領が悪い。仕事も遅いし、気も利かない。いわゆる“与太郎”ってやつでございます。

その与太郎が、ぽつりと言うんです。
「へぇ…それで、その商売、なんでやるんですかねぇ?」

会議はしーん。
「いや、AIさんがそう言ってるから…」
「へぇ、そうですか。
でも、お客さんはそれ、本当に欲しいんですかねぇ?」

また、しーん。
AIさんは答えを出してくれる。
ところが、“なんでそれをやるのか”までは教えてくれない。
その一言で、会議はまた最初からやり直しでございます。

ところが不思議なもんでしてね。
その与太郎が、ぼそぼそ言った問いから、新しい商売がぽつぽつ生まれ始める。
「それなら、こうした方が面白いんじゃありませんかねぇ」
「それなら、こんな売り方もありますぜ」

周りの人間は首をかしげるんですが、やってみると、これが案外うまくいく。
気がつけば会社の新しい商売のいくつかは、
その与太郎の問いから始まったものばかり。
人はその男を、相変わらずこう呼んでおります。
「与太郎」。

ところが、世の中ってぇのは面白いもんでして。
AIさんが正しい答えを並べる時代に、
少し間の抜けた問いを投げる与太郎が、
いつの間にやら一番稼いでいた。
まぁ、そういう噺でございます。

配信元: mymo

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