◆26歳で糖尿病を発症したが「ほっといた」

コージー:’93年、僕が26歳の頃ですね。喉が異常に渇いて、それまではほとんど飲まなかったお酒がいくらでも飲めるようになっていました。それで「おかしいな」と思って病院で検査したら1型糖尿病と診断されました。
――売れる前のかなり若い頃から発症されていたんですね。
コージー:そうなんです。でも痛みも何もないからほっといたんですよ。糖尿病の薬も貰っていましたが飲んでなかったし、何もしてないのにどんどん痩せても「まだ大丈夫だろう」と思ってしまっていたんですよね。食べる量が変わらないのに痩せるのは糖尿病の初期症状のひとつなんですが、それでも病院にも行ったり行かなかったりでした。正直、意識が低かったですね。
――糖尿病のほかの代表的な症状には網膜症、腎症、神経障害がありますが、そこからどのように症状が進行していったのでしょうか。
コージー:’07年頃に、靴下をはかずにホットカーペットで寝ていたら足の指に水ぶくれができたんです。それは低温やけどから来る水ぶくれだったんですけど、神経障害のせいで足の感覚がなく、熱さに気づかなかったんです。
――最初に糖尿病と診断されてから10年以上、病状が進行してしまっていたんですね。
コージー:気をつければ途中でほかの症状も察知できたかもしれませんが、自分の病気のことだし、怖いから直視したくないじゃないですか。いま思えばビビってたんでしょうね。

コージー:そうだと思います。おそらく低温やけどに気づかなかったのと同じくらいの時期から視界に糸くずや黒い点のようなものが見える“飛蚊症”がひどくなりました。その後手術もしましたが、白内障にもなって気がついたらほとんど見えない状態になっていました。
――徐々に目が悪くなると気づきそうなものですが……。
コージー:徐々に悪くなったからわからなかったのかもしれません。もともと視力が良くなくてコンタクトや眼鏡は使っていましたし、おそらく40代に差し掛かってから急激に目が悪くなったので老眼かなとも思っていましたし。そうこうしていると気づけば“もや”がかかったような視界でした。
――途中で眼科に行ったりしなかったんでしょうか。
コージー:もちろん行ってましたけど、血糖のコントロールが悪かったので、どんどん悪化していきましたね。
――医師からは節制するように言われてましたよね?
コージー:もちろん言われてました。でもお酒も飲むし、ご飯もいっぱい食べちゃってた。意思が弱いんですよ。
◆ほとんど“見えない”世界での仕事と日常

コージー:立つ位置の目印になる“バミり”を大きくしてもらったり、導線の確認のためにリハーサルを入念にしてなんとかやれています。舞台袖は暗いのでそれも大変ですね。
――目がほとんど見えなくなったことで、仕事への影響は大きかったのでは。
コージー:当然ですが、字が読めなくなったこともすごく大変です。原稿やセリフは人に読んでもらって覚えなきゃいけない。カラオケも画面の歌詞が見えないから、ひたすら聞いて覚えるしかないんですよね。
――今日の取材にも同席されている、付き人のものまねタレント・どんまいみどりさんのサポートも大きいですか?
コージー:どんまいちゃんには仕事周りでとても助けてもらっていますね。完全に一人だったら今頃仕事は続けていられなかったと思います。

コージー:小さいものは全部なくなります。薬の錠剤だったり、ペットボトルのキャップも落としたら終わり、もう見つからない。あと、ちくわだと思って食べたら皿の柄だったり(笑)。そういうのはしょっちゅうです。
――それでも仕事は続けている。
コージー:糖尿病だから休むってことはないです。ある程度のサポートは必要ですが、普通に生活はできるんですよ。ただ、放っておくとどんどん蝕まれていく病気なのは厄介ですね。

