そう思い込んでいる30代・40代のあなたは、すでに危険水域だ。かつては美徳とされた「転職回数の少なさ」が、40代以降、キャリアを蝕む“仇”となる。
20代で評価された「生え抜き」の経歴は、今は「柔軟性や適応力に欠ける」という烙印に変わり、市場価値を大幅に下げるのだ。
会社が平気で「高コスト社員」を切り捨てる現代、黒字企業でさえ容赦なく「用済み」と宣告する。そんな時代に「転職経験ゼロ」は、まさに無防備な標的。
日系大手企業から外資系IT企業の部長職まで登り詰めた経歴を持つキャリアアドバイザー・安斎響市氏は、後悔する前に、この冷酷な現実から目を背けてはならないと言う。

◆「転職回数の少なさ」は、40代以降は仇になる

というのも、20代であればプラス要素ですが、40代になると逆に、採用上の不安要素になってしまいます。
勤続年数の長さは、若い時分であれば「定着力」「忍耐力」として、重要視される可能性が高いです。
また、「社内の評価」としては、最近入社したばかりの人よりは、昔から長く勤めている人の方が何かと重宝されがちです。
◆「うちの会社だけ」で生き残れない! 40代“生え抜き”を待ち受ける「市場価値ゼロ」の現実
ただ、これらはあくまで「若いときの話」「社内の話」です。40代になって、新卒から1社しか経験がない人は、
• 「一つの会社の文化に長く染まってしまっている様子だから、その職場以外でも柔軟に働ける人ではないのではないか?」
• 「会社のブランドや看板に頼った働き方をずっとしてきている様子だから、今さら別の職場に移って活躍するのは難しいのでは……」
• 「これまでの十数年、狭い業界のニッチな仕事しか経験していないから、他の業界に行ったらまるで通用しない可能性がある」
そんな風に、マイナス要素として見られる可能性が高いです。
「転職経験がまったくない40代」は、「転職経験豊富な40代」と比べると、書類選考や面接などの選考プロセスで圧倒的に不利になります。
旧態依然とした老舗企業での勤務経験しかない人、公務員など他で通用しづらいスキルしか持っていない人、製造業など斜陽産業の経験しかない人であれば、この傾向はなおさら強くなります。
20代のうちは「過去の転職回数」が多ければ多いほど、「定着しない」「根気がない」とマイナス評価になってしまいます。その後のキャリアの道が閉ざされてしまう人もいることでしょう。それだけ、「転職は悪」と思われがちです。
その傾向は、いくら時代が変わっても同じことで、「入社してすぐ、大した経験も積まないうちに短期離職するなんてロクなもんじゃない」と考える人は多いです。

