夢を追い続ける秘訣は、ちゃんと休むこと

――これまでの経験で役に立ったことは?
占いの世界に飛び込んだこと。
フリーランスの占い師になったときは大きなチャレンジでした。
それまでの相談業務の個人事業にタロットを導入するために習えるところを探したのですが、タロットの講座は修了までに1年かかるし費用も高額。それで、個人でタロット占いを教えてくれる人を探して、ルノアールで待ち合わせて習ったんですよ(笑)
その後、独立して占いブースに出ましたが、完全歩合制で、生活の保障もない。不安も大きかったけれど、やりたい! という気持ちを優先しようと心に決めました。
以前よりもお客様の幅がグッと広がり、幅広い知識を身に付けるために毎日かなり勉強しました。努力したからこそ、お客様に来てよかったって満足してもらえたときはうれしくて。
チャレンジすること、努力することの素晴らしさを知ったことは、今の登山への姿勢にもつながっていると思います。
逆に、占い師は雑談力も必要なので、登山という趣味が増えたことは仕事にも役立ってます。

――あなたの人生の「座右の銘」は?
「ネバー ギブアップ!」
私は何かにチャレンジしたときに、すぐに成果を出せなくてもいいと思うんです。
占いのお客様にもよくお伝えするんですが、つらくなったときは休めばいい。
今、順調でなくても、自分が諦めることさえしなければ終わりじゃない、夢は続いていますよね?私も自分のペースでいいから地道に諦めないで進んでいく、を大切にしています。
――不安を感じたり、自信をなくしたときの特効薬は?
「寝ること」。でも、不安が強くて眠れないときは無理に寝床に入らず、「不安を感じることは普通」だと思って、リラックスするようにしています。
多くの方を占ってきましたが、社会的に成功している方であっても、過去に一度も不安になったことがない方には会ったことがない。人間なんですから不安になったり、自信がなくなったりすることは当たり前。そう気付いてから、楽になりました。

――リスタートをして得た最大の教訓はありますか?
雲の上には太陽がある
山梨の雪頭ヶ岳と鬼ヶ岳に登っているとき、辺り一面が真っ白で、一切眺望もなく、今日は、天気が悪いのだと思っていました。ところが、足元の道だけを見てようやく山頂付近に辿りついたら、眼下に素晴らしい雲海が広がっていました。
「雲は不安の考えと同じ。視界をさえぎるけれど突き抜ければ、その上にはいつも太陽の光が届いている」って、遠い昔に教えてもらった言葉が、見事に腹落ちしてうれしかったです。
50代のリスタートに必要な3つの備え
小学生のときに一時、不登校になったこともあるほど、実は器用でもないし慎重派。だから自分なりの前向きになれる心構えを用意して、実践しています。
1.優先順位の考え直し
50歳は人生の折り返し地点。健康寿命を考えたり、残りの時間を意識すれば、後悔のないようにチャレンジしたくなります。私も仕事や趣味、お金など、人生後半の優先順位やバランスを考え直し、登山の時間をとっています。
2.気力と体力をつける
リスタートに欠かせないのが気力と体力。こればかりは他人からもらうことはできないし、自分次第。年齢は関係ないと思います。大病をした友人が前向きにリハビリに取り組む姿を見て、いつからでも強化できる、本人のやる気なんだと勇気づけられたことも影響しています。
3.仲間を見つける
仲間がいると準備も分担できるし、踏破したときの感動も共有できるから喜びも大きい。日本百名山の制覇に必要なチップスも教えてもらえるから、チャンスも増えます。推し活とも一緒だと思うのですが、好きが一緒だと仲間をつくりやすいです。
取材・文:時津木春 写真:菅井淳子企画・構成=長倉志乃(HALMEK up編集部)
※HALMEK upの人気記事を再編集したものです。
※インタビューは2025年に行いました。

