海外進出“大失敗”で気づいた「早さ」の重要性
私はかつて、国内での拡大に限界を感じ、海外市場の開拓を決意しました。2006年、当時、急速に発展を始めていた中国に進出をしました。そして、大失敗しました。
この理由は、進出が遅かったからです。マーケットは大きくても競合が強すぎました。
その競合は、どこよりも早く進出し「先駆者利益」を得ていたのです。私は、ここで「早さ」の重要性に気づき、3カ月で中国を諦め、すぐにインドに向かいました。
2007年、日本で最初の独立系会計事務所をインドの首都であるニューデリーに設立しました。その後、4年間でチェンナイ、ムンバイ、ベンガルールと4拠点に広がりました。さらに2011年からタイ、ベトナム、インドネシアを皮切りに20カ国以上に展開しました。海外売上比率は7割となり、大半の利益は国外で稼げるようになりました。
一般に海外投資はリスクが高いと思われがちです。かつては、日本の工場を海外に移管することが主たる目的だったため、多額の資金を必要としました。
しかし、現在は、生産拠点ではなく販売拠点としての海外進出が主となったため、多額の資金は必要としません。
また、ローカル企業に少額出資することにより、ファブレス化の実現、つまり、工場を設立しなくても「地産地消」モデルができるようになりました。本編の物語では山田事業部長が悪戦苦闘して現地法人を立ち上げていましたが※、よりスムーズな戦略をとることもできたのです。
※ 本編は久野康成氏の著書『現金10億経営 会社をキャッシュリッチに変える経営戦略』(幻冬舎メディアコンサルティング)を参照
賢者の教え
暗黙知と形式知が常にスパイラル的に循環することによって、長期にわたり繁栄する企業を作ることができる。
海外市場は、早い者勝ち。
少額出資による資本提携をローカル企業と行うことでスモール・スタートが可能。
久野 康成
久野康成公認会計士事務所 所長
株式会社東京コンサルティングファーム 代表取締役会長
東京税理士法人 統括代表社員
公認会計士・税理士・社団法人日本証券アナリスト協会検定会員
