
日本では季節の変化を敏感に感じ取り、年中行事や習わしに添った植物を暮らしに取り入れてきました。
「二十四節気の花あしらい」では難しいルールにとらわれず、気軽に季節を感じられる花を楽しむテクニックを、第一園芸のトップデザイナー・新井光史がご紹介します。
2026年4月20日から二十四節気は穀雨に
穀物を潤す雨、という意味を持つ節気が「穀雨(こくう)」です。
穀雨は春最後の節気でもあり、暦の上では春と初夏をつなぐような季節とされています。
初夏の手前、一年でもっとも過ごしやすい時季によく似合うのが、軽やかな色合いと繊細な姿が印象的な「スカビオサ」。
切り花として一年を通して出回りますが、春と秋が最盛期です。花弁の大小や色など、バリエーションが豊富な花として親しまれています。
今回は、このスカビオサの魅力を引き出す花あしらいをご紹介します。

繊細な姿を活かす
スカビオサのすらりとした姿を活かした花あしらいです。
柔らかな花を支える繊細な茎も、この花の見どころのひとつ。この花あしらいでは一輪の花のように見えますが、実は3本のスカビオサを編むようにして、一輪の花のように生けています。

赤いスカビオサに「ゼンマイ」を組み合わせました。
ユニークなシルエットのゼンマイの深い茶色の茎が、スカビオサの複雑な赤い花色を引き立てます。

紫のスカビオサに「麦」や、マメ科の「コロニラ」を組み合わせた、穀雨の季節にぴったりな花あしらいです。
スカビオサは草ものとの相性も抜群。花色によって印象が大きく変わるので、組み合わせを変えて楽しんでみてください。

スカビオサを生けるコツ
スカビオサの茎は細さが魅力ですが、それゆえに1本では花器の中でうまく固定できない場合があります。また、茎が細すぎて花器とのバランスが合わないことも。
そのようなときには、写真のように茎を編むようにまとめてから生けると、狙った位置に生けやすくなります。

さらに、よりしっかりと茎を固定したい場合は、中が空洞になっている茎に差し込んでひとつにまとめる方法もあります(ここでは麦の茎を使用しています)。
茎の扱いに戸惑うことがあれば、ぜひ試していただきたいテクニックです。

