
数年前から登場した「退職代行」というサービス、耳にしたことがある方も多いと思います。
元々は退職意向を伝えても退職が出来ない(させない)、所謂ブラック企業への対策として始まったとされるサービスですが、最近では広く知られるようになった結果、特にそういった問題のない職場で使われていることもあるようです。
退職を切り出すことは、良好な関係性の職場であっても多少のストレスを感じるもの。「誰かが代わりにやってくれるなら気が楽だし、確実に退職出来て安心」という面もあるでしょう。
一方で、使う環境や背景によってはその後の働き方に影響するため、自力で乗り越えた方が良い場合もあります。
今回はメリットとデメリットについて考えてみます。
■退職代行を使うメリット
一番はなんといっても「確実に退職出来ること」でしょう。
次の転職先が決まっているのに退職届を受け取ってもらえない、有給を消化させてもらえない、就業規則をたてに数か月先まで退職を認めてもらえないなど、様々な理由で退職を阻止される場合があるかもしれません。
ですが実際のところ、労働基準法により、就業規則に関わらず労働者は退職を申し出てから2週間が経過すれば退職は可能ですし、雇用者は原則として有給の申請を却下することは出来ません。
法律に則った冷静な対応をする第三者が入ることで、スムーズに事が進むようになる可能性が高いでしょう。
退職代行に依頼すると、有給が残っていれば有休を使い、有給がない場合・承認されない場合は(減給の可能性はありますが)欠勤してしまえば、一度も出社せず、会社とも一切やり取りせず退職することも可能です。
退職について何か文句や非難を言われるなことがあったとしても、そういったやり取りも含め退職代行サービスにすべて任せてしまえるという、精神的な安心感もあります。
■退職代行を使うデメリット
その方の置かれている立場によっていくつか考えられますが、影響が長く続く可能性がある点で注意したいのは、「世間や代表の退職代行に対するイメージ」です。
経営者同士、特に同業者間は色んなコミュニティや会合で繋がりを持っており、採用に関してはどの会社も関心が高いため、「最近いかがですか」とよく情報交換を行っています。
ある程度規模が大きく、社長と一般社員がほぼ面識のないような会社に転職する分には影響も少ないでしょうが、規模の小さい会社、横の繋がりが強い業界、会社HPに載るような役職者として転職すると、経営者間で前職・名前・辞め方が全てセットで筒抜けになってしまうかもしれません。
また、退職後に転職活動を行う際、転職先の会社で「リファレンスチェック」と呼ばれる、前職での経歴や在籍年数などの確認が行われることがあります。
もちろんそれらは個人情報に当たるため、チェックを行う際は本人の同意が必要となりますが、特にトラブルがなく退職している人にとっては拒否する理由がありません。
リファレンスチェックに即答出来ないこと自体が、「前職で何かトラブルを起こしていたり、良くない辞め方をしたりしたのでは」という推測を生みます。
退職代行を使って退職したことが、そうせざるを得ない状況であったのであれば先に自分の口から伝えておいた方が、チェック先(前職)から何を言われても影響が少ないかもしれません。
内容によっては、「だから退職代行を使ったのか」と理解を得られることもあるでしょう。

