◆人的災害ともいえる有名企業の不祥事
![[闇落ち社員]の生態](https://assets.mama.aacdn.jp/contents/210/2026/4/1776669349488_1ibboxn9v8j.jpg?maxwidth=800)
’25年には、三菱UFJ銀行の行員がFXや競馬の損失を補塡するため、貸金庫から顧客の金塊や現金計約3億9000万円相当を盗んで逮捕された。今年1月には、プルデンシャル生命の社員107人が顧客から約31億円を詐取していたことが発覚、大問題に発展したのは記憶に新しい。
不正に手を染める会社員は昔からいたが、コンプライアンスが厳格化した現在でも、なぜ悪質な不良社員が次々に生まれるのか。人事管理に詳しい同志社大学名誉教授の太田肇氏が背景を語る。
「企業不祥事は時代とともに変質しています。これまでの“昭和型”の不祥事は、仕事ができる熱血社員の暴走が原因でした。しかし“令和型”は会社にぶら下がりつつも、『自分さえ良ければいい』と組織を利用して自己利益を追求する、いわば『冷めた合理主義』が暴走した格好です。プルデンシャル生命のケースは、まさに令和型不良社員による不祥事の典型でしょう」
◆冷めた合理主義に染まった結果…
そうして冷めた合理主義に染まった結果、一部の社員に“闇落ち”して不正に手を伸ばす者が出てくるという。物価高による生活苦や、社内環境の変化もそれに拍車をかけている。太田氏が続ける。「冷めた合理主義の社員が増えた背景として、成果主義の導入が大きいです。昔は会社員の大半が高い役職を目指し、会社側の人事評価も社員の人間性や人格を重視していたので、不祥事を防ぐ抑止力になっていました。ところが、成果主義の導入によって人間性など数値で測れない部分が顧みられなくなったうえに、多くの企業では社内のポストが足りず、頑張っても報われない状態が拡大した。
会社との距離が遠のいた社員はドライになり、会社への愛着や帰属意識は薄れ、不祥事を生む温床になっている。昭和の会社員は自分の会社を守ろうとしたが、愛社精神を持たない令和型不良社員には『会社のため』などというブレーキは存在しません」

