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「日本は本当に大丈夫か?」絶えない疑念の声も…過去最高〈税収80兆円〉の高市「積極財政」から紐解く、財政の“持続可能性”【チーフ・ストラテジストが解説】

「日本は本当に大丈夫か?」絶えない疑念の声も…過去最高〈税収80兆円〉の高市「積極財政」から紐解く、財政の“持続可能性”【チーフ・ストラテジストが解説】

データから見えてくる、日本経済の“真の課題”

もっとも、ここから直ちに日本経済の実力が高まったと結論づけることができない点は、先生のご指摘の通りです。実質成長率が力強さを欠いているという問題は、日本経済の潜在成長力という別の次元の課題として厳然として存在しています。

しかしそれは、「財政指標としての債務GDP比が改善しているかどうか」という問題とは切り分けて議論されるべきでしょう。実質成長の弱さは成長政策の課題であり、債務比率の低下は財政の持続可能性の指標です。この二つを同一の基準で評価しようとすると、かえって議論の焦点が曖昧になります。

インフレによる名目GDPの拡大を理由に債務GDP比の低下を否定的に捉える必要はありません。それは国際的にも標準的に採用されている評価方法に照らして、正当な財政改善の一形態だからです。

そのうえで、日本経済の真の課題が実質成長力の強化にあることを冷静に認識することこそが、建設的な議論につながると考えます。

従来の「PB黒字化目標」を見直しへ…投資家が評価する、高市政権の“既定路線”

こうしたなか、基礎的財政収支(PB)について見直す考えを高市さんは提示しました。従来の「単年度ごとのPB黒字化目標」を見直し、数年単位で財政収支のバランスを確認する考えを示しています。

これは、単年度のみを目標とすることがG7では例外的であるとの認識から来ています。財政制度等審議会の報告にも、単年度PB黒字化の達成状況を単独で見るのではなく、より広い期間でバランスを検証する方向への転換が記載されています。

PBを複数年度でとらえていくことには、いわゆる「財政健全派」の人たちを中心に批判もありますが、僕はよいことだと考えています。

企業の財政状態の開示についても四半期ごとに行うのはショートターミズム(短期主義)につながるのでよろしくないという意見があるくらいです。

投資家は企業の業績評価を単年度でもチェックしますが、過去からのトレンドや継続性、中長期の経営計画なども併せて評価します。国の財政状況も同じでしょう。

片山さつき財務相は「PBは補正予算編成前では今年、来年でおそらくプラマイゼロになっていく。そこではなくて債務残高をどう見るかだ」と述べました。この方針は既定路線になっていくでしょう。

広木 隆

マネックス証券株式会社

チーフ・ストラテジスト

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