◆■ 時代劇化するヤンキー文化の現代的意義
鈴木 「40、50代の方が展示の前で『俺はああだった』『私はこれだった』とすごく語ってくれるんです。中には3世代で来てくれた家族もいた。19、20でお子さんを産んでいる方はもうお孫さんも連れてこられるというわけで、さすがヤンキーだなと(笑)。うちの息子が小5なんですけど、『え、本当にこんなの着てたの?』って言うんですよ。僕らが初めて戦国ものを見たときと同じ感覚です。ヤンキーというのはもう完全に時代劇的なジャンルになってきている。東京リベンジャーズがタイムリープの設定を使っているのも上手くて、任侠ものと並ぶような一種の時代劇ジャンルだと思っています」“ヤンキー”はしばしば“ワル”と混同されることがある。だが両者の間には決定的な違いがあるという。鈴木氏が続ける。
鈴木 「かっこいいことを言うと、ワルというのは誰かを傷つけるんですが、ヤンキーは誰かを守ろうとする心や強さが根底にある気がするし、そうであってほしい。私はヤンキーじゃなくて、むしろボコボコにされた側なんですけど(笑)。それでもずっと憧れはあります。」
岩橋 「ヤンキーは生き様で、ワルは犯罪。自分の中でそこの線引きをしっかりできるかどうか。心の中の支えとして持っておくのは絶対大切で、ヤンキーの連中って意外と潔いんですよ。覚悟が決まってるんです。ヤンキー文化は絶対アナログのつながりが大事で、誰かと知り合って話して答え合わせをすることで軌道修正される。ぜひ大ヤンキー展に来て、自分のヤンキー魂が歪んでいないか確かめてください」
ギャル文化と同じように確実にカルチャーにおける絶対的な市民権を得つつあるヤンキー。鈴木氏が今後見据える先はどこにあるのか。
鈴木 「幕張メッセです。大恐竜展のような規模感で。名古屋、北九州、福岡、大阪、岐阜と全国からオファーをいただいていて、まずは全国巡業しながらパワーアップして、最終的には幕張メッセで一カ月開催したい。改造バイクをズラッと並べてメリーゴーラウンドにして、屋根ぶった斬りの改造車も飾って、全国から集まる大きなイベントにしたいですね」
北九州の特攻服がパリコレ的に展示されたことや、暴走族を口を開けて見つめる外国人の動画が話題になるなど、ヤンキー文化の国際的な関心も高まっている。「日本が世界に誇る裏文化を、全世界に広めたい」と鈴木おさむは力を込める。

取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/須藤リョウジ

