安定的な皇位継承に向けた与野党協議が約1年ぶりに再開され、高市早苗首相らが「喫緊の課題」として皇室典範改正を急ぐ意向を示した。政府の前向きな姿勢は歓迎されるが、皇室史研究家の倉山満氏は「皇位継承問題」に関する一部の誤解を指摘する(以下、倉山氏による寄稿)。

◆「皇位継承問題」は悠仁殿下の次の世代の話
高市早苗首相も森英介衆議院議長も、「今国会で皇室典範改正を実現する」と宣言した。大歓迎である。この話、佳子内親王殿下が22歳の時に始まったが、はや9年。その間、政治が何も決められず、待たせていたことになる。今国会で決めても遅すぎるくらいである。
では、国会で何が話し合われているのか。「皇位継承問題」と言うと誤解があるが、今上天皇の後には秋篠宮家に受け継がれる儀式が行われている。次世代では、悠仁親王殿下が即位されることまでは決まっている。問題とされているのは、悠仁殿下の次の世代の話だ。
皇室は世襲である。お世継ぎづくりがすべてに優先する。
しかし、悠仁殿下にお子さまが生まれる保証など、どこにもない。だから、その未来に備えようという話をしているのである。
一部で勘違いがあるようだが、「悠仁殿下か愛子殿下か」の選択ではない。ここで愛子殿下の名を出すなど、大迷惑だ。アイドルの推し活ではあるまいし。
◆公称2686年の皇室の歴史はどうなるのか
悠仁殿下のお妃探し、お世継ぎづくりがうまくいき、そして悠仁殿下のお子さまがご無事に育てば、それで良し。そこまでいって初めて、ご先祖さまから受け継いだ皇室を、未来の子孫に受け継ぐことができる。しかし、悠仁殿下と未来の皇后陛下にすべてをお任せするのは、あまりにも心もとないし無責任だろう。何より、悠仁殿下のお妃(=未来の皇后陛下)に、女性週刊誌とSNSが猛バッシングをするのは火を見るより明らかだ。そもそも、こんな悪徳マスコミと不良SNSを野放しにしている環境で、お妃になってくれる方が現れるかすら、怪しい。
そもそも、悠仁殿下に何かあれば、神武天皇の伝説以来公称2686年の皇室の歴史はどうなるのか。現に悠仁殿下は、交通事故にも殺人未遂にも遭われている。
そこで悠仁殿下をお支えする皇族がいなければならないと、国会で議論をしている。
具体的にどのような内容、そして皇室典範改正案になるのか、要諦は先週号で解説しておいた。だから今週は、そもそも論を説く。
世の中には「アンケート調査を参考にして次の天皇を決めよう」などと軽佻浮薄な論を説く者がある。では、「天皇とは」「皇室とは」何なのか。そのアンケートに答えた者たちは、わかっているのか。

