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公称2686年の皇室の歴史が終わるかもしれない「皇位継承問題」の本質/倉山満

公称2686年の皇室の歴史が終わるかもしれない「皇位継承問題」の本質/倉山満

◆「天皇とは」「皇室とは」何なのか

 皇室とは、天皇を中心とする家族である。天皇とは何か、三言で言える。第一、日本国の本来の持ち主。第二、日本で一番偉い人。第三、ただし、ほとんどの期間で一番強い人ではなかった。すなわち、日本とは何かを体現する存在である。

 第一の「本来の持ち主」とは、神話以来そう伝わっている。我が国の正史(正式な歴史書)である『日本書紀』に、そう書かれている。神話も含めて、すべて信じよとは言っていない。ただ天皇と皇室が、「いつの時代から存在するのかわからないくらい古い時代から日本にはいた」のは事実である。

 第二に、神話、伝説から歴史となり、現代に至るまで、天皇は「日本で一番偉い人」であり続けた。現代でも、総理大臣を任命するのは天皇である。常に日本国の最高権威であり、政治の最高権力者は天皇から任命される。

 ただし第三に、「一番強い人」ではなかった。むしろ、日本の歴史で天皇を凌駕する権力者など無数にいた。また皇室が、唸るほどの財産を持っていた時期も少ない。だからこそ、皇室は続いたと言える。権力が無いのだから取って代わる必要はない。むしろ、自分を権威づけてくれる。

 天皇とは、本来の日本国の持ち主であり、一番偉い人だが、権力は振るわないし贅沢をする訳でもない。そんな天皇を中心とした皇室が存在し続けてきた国が日本だ。それを続けたいのか続けたくないのか。そして続けるとしたら、どのようにするべきなのかが問題なのだ。

 こういうことを無視する一部のパヨク政党は、「アンケート調査を参考に次の天皇を決めよ」などと主張して、多数の政党から嘲笑されている。そらそうだろう。アンケートなど、気軽に答えられる。そんな気軽に答えられる調査で、次の天皇を決めて良いのか。そもそも「次の天皇を決めるアンケート」って何だろう?選挙ですらなく???

◆今後も皇室が続く保証はどこにもない

 仮に国民の総意を決める為に「次の天皇は誰が良いか」と総選挙を行ったとしよう。あるいは、そんな制度はないが、国民投票を行うとする。

 国家元首を選挙で決めるなら、最初から大統領制にすればいいではないか。世襲である必要はない。

 結局、「アンケートを参考にしろ」と言われても、参考にする方法が無いのだ。選挙でも同じである。

 ちなみに、選挙は合戦の代替品である。過去の日本の歴史の中では、殺し合いによって皇位を決めたこともある。しかし、皇室を政治から切り離し、間違っても殺し合いで皇位を決めないようにしようとしてきたのが、歴史の知恵だ。

 選挙は一時の民意を決するにすぎない。一時の多数決など、歴史の中では少数派にすぎない。これまで神話の時代から続いてきた歴史を、一時のアンケート(選挙ですらない)で変えようなど、怖い物知らずでは済まない。取り返しがつかないのだから。

 今後も、皇室が続くなどという保証は、どこにもない。子供が生まれなければ終わりだし、その時の日本人が「もう、こんな制度はやめてしまおう」と思ってしまえば、それで終わりだ。それでも続いてきた。常に皇室を続けたいとの人々の意思が、その時代ごとに勝ち続けてきたからだ。奇跡だ。

 我々の時代にできることは、未来に皇室を受け継ぐことだけだ。そして未来のことは未来の日本人に任せるしかない。今から未来を設計しても仕方がない。

 ご先祖さまから受け継いだ皇室を、未来の子孫に受け継げるか、今を生きている日本人の覚悟が問われる。

―[言論ストロングスタイル]―

【倉山 満】
皇室史家。憲政史研究家。1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『噓だらけの日本近世史』が2月28日より発売
配信元: 日刊SPA!

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