
◆街灯のない山道で執拗な蛇行…
「渋滞を避けるため、G.W.前夜に帰省することにしたんです。地図アプリが選んだのは、街灯もまばらな山道。対向車もほとんどない一本道をひたすら進んでいました」そんな芳賀さんの背後に、1台のミニバンが急接近してきた。1メートルも空いていない距離まで詰め、左右に蛇行を繰り返す。典型的なあおり運転だった。やり過ごそうと停車して先に行かせたが、その先でミニバンはハザードも点けずに停車。芳賀さんが横を通り抜けようとした瞬間、進路を妨害するように斜めに急発進し、ぶつかりそうな距離で再び蛇行を始めた。
◆最悪の事態を覚悟し、怒鳴ると…
ハイビームで執拗に追いすがってくる相手に、芳賀さんの堪念袋の緒が切れた。広いスペースに車を叩きつけるように止め、運転席から飛び出した。「柔道の経験があったので、戦うことも覚悟して『いい加減にしろ!』と怒鳴りつけました。向こうから降りてきたのは、派手なジャージ姿の短髪の男。見るからに『ヤカラ』といった風貌でした」
だが、相手の態度はどこか奇妙だった。数秒の間を置いてから出た「……やるのかよ!」という声は驚くほど迫力がなく、裏返っていたという。男の目は泳ぎ、チラチラと自分の車のほうを気にしていた。

