多様な学びと挑戦が生まれる地域を目指して
ーこれからの活動について教えてください。
岩井さん:1つ目は、不登校の対応の充実ということで、知能検査の提供や不登校に関する情報発信をしていきたいです。知能検査については、ラボで検査キットを導入したので、得意・苦手を把握し、自分に合った学び方の検討に役立てたいです。大人向けにも、自分の性格を把握し、仕事や人間関係に生かせるパーソナリティ検査を提供したいです。情報発信については、「子どもや親の育て方に問題がある」という思い込みを払拭し、これから必要とされる力を知ることができる、親側・大人側の勉強会を開きたいです。
不登校は、子どもの成長スピードや興味関心が学校の決められた枠に合わないだけ。発達障害も、発達の領域やスピードが標準とは違うだけの話です。自分の興味関心を見つけ、社会に出た時に、意思決定をして生きていける大人になることが大事。僕たちが不登校に対応する意図は、「かわいそうな子を何とかしてあげたい」ではなく、その子本来の力をどうやって発揮してもらうかを考え環境をつくること。その入口としてカウンセリングや相談を継続し、今後は専門家との連携やAIによる分析も取り入れ、田村に合ったサポートの形を模索していきます。

簡単なプログラミングで動くロボット。遊びながら学ぶ中で子どもが自分自身を知り、これからを生きる力を身につけていく
岩井さん:2つ目は、社会性や人とのコミュニケーション、自分の感情のコントロールといったSEL教育の視点から、学びの支援活動を行いたいです。染め物やアウトドアといったさまざまな体験から「楽しい」「もっとやりたい」という興味を見つけ、保護者とも共有しながら広げていければと思います。体験の中で苦手なことにも気づき、自分自身を知る機会にもなるでしょう。ITやロボット、AIにも適切に触れられる学びを用意し、多くの選択肢から自分で選び経験できる場を目指します。
(※)SEL(セル)教育:Social and Emotional Learning
一方で人は生き物なので、例えばタケノコ狩りや調理など、五感を使い、自然や食にふれるプログラムを実施したいです。今の子はデジタルネイティブなので、ITも自然の一部として、適切に使う力を育てたいと考えています。さらに地域外に出て多様な大人と出会う機会をつくり、異なる価値観を「排除すべきもの」ではなく「選択肢」として受けとめられる感覚を育んでいきたいです。
ーこうした活動の先に、地域がどう変わっていくとよいと考えていますか?
岩井さん:20代・30代の人たちが、自分たちでテーマを見つけ新しい事業を始め、チャレンジしながら地域を面白くするということを、もっとやれるようになるといいと思います。この部分のサポートが僕の本業でもあり、面白い大人がいれば、子どもたちも憧れてチャレンジをします。過疎地域でも人は育ちます。主体的に地域に働きかけ行動する20代・30代が増えることが大切。そうすれば子どもたちは、その背中を追いかけて、地域を望む姿に変えていける大人へと成長していくはずです。

本や漫画も自由に読むことができる。「おすすめだから」と地域の方が寄付した本も多数
ー田村市に移住を検討している方へメッセージをお願いします。
岩井さん:子どもたちには、気軽にラボに遊びに来てみてほしいです。また「自分が悪い」と思わず、やりたい気持ちを大切にしてほしい。今は難しくても、理解してくれる人に出会い、実現できる可能性があります。だから諦めないでほしいし、やりたいと思ったこと自体を、否定しないでください。
起業の観点だと、決まった型が無い白紙な地域だと思います。石巻での経験から、外から来た人が地域で関係を築くのは簡単ではなく、その地域での暮らしに本気で関わろうとする姿勢を見られていると感じます。まずは地域のイベントに参加し、丹念に興味を持って人と話し、自分から関わることが大切です。そうした積み重ねによって、起業の土台ができるように思います。
田村市にはビジネスアイデアの相談窓口は少ないものの、同じく起業を目指す人や、市の起業支援で外部から来ている民間企業や僕のような立場の人間など、支援に関わる人はいます。なるべく早く見つけて会いに行き、関係を築いて意見交換を重ねてください。土地や空き家などの資源はあり、事業を始めるハードルは高くありません。倉庫や販路などが必要な場合は商工会の情報も活用できます。しかし情報は人に集まるため、まずは目的に応じた人のつながりを整理してから、資源を活用するとよいのではないでしょうか。
ネイバーフッドラボたむら(ジブンラボ)
住所:福島県田村市船引町船引字五升⾞146番地の2 開館日時:毎週水・金・土 13:00〜18:00(年末年始とお盆はお休み) 対象:小・中・高校生なら誰でも無料で利用可 HP:https://labtamura.net/ 問い合わせ:HPのお問い合わせから
この記事を読んで田村市での生活に興味を持った方、移住を検討している方は、お気軽にたむら移住相談室へご相談ください。
たむら移住相談室 Web:https://tamura-ijyu.jp/ 電話:050-5526-4583 メール:contact@tamura-ijyu.jp ※たむら移住相談室は株式会社ジェイアール東日本企画と(一社)Switchが共同で運営しております。
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