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大手保険会社に勤めた44歳男性が語る、“名ばかり部長でも年収2000万円”の罠「約50人の部署で半分以上が『部長』だった」

大手保険会社に勤めた44歳男性が語る、“名ばかり部長でも年収2000万円”の罠「約50人の部署で半分以上が『部長』だった」

◆“文字どおりの名ばかり管理職”の実態は?

[なぜかクソ忙しい!]の正体
一方で、人材サービス会社に勤める田原聡さん(仮名・44歳)は、前職で目にした“文字どおりの名ばかり管理職”の実態を次のように話す。

「某大手保険会社に20年以上勤めたのですが、最後にいた海外事業企画部は異常でした。約50人からなる部署なのですが、そのうちの半分以上が『部長』だったんです。事業部長がトップにいて、その下に企画部部長が20人、その下は部長代理だらけ。私は部長代理でしたが、部下はいませんでした(笑)。当然、上長に当たる部長の部下は私一人。その部署の役回りは、海外の提携先や買収先を探すことだったのですが、そんな体制で実績を上げられる人はごくわずかなので、与えられた役職のプレッシャーで、大して仕事をしていないのに心をすり減らす人が何人もいました」

なぜ、そんな歪な組織ができたのか? 田原さんは「団塊ジュニア世代に当たる50代が多く残っているのに、年次に合ったポストが足りなくなったからだろう」と話す。

とはいえ、大手保険会社なだけあって待遇はよかったとか。

「名ばかり部長でも年収2000万円はあったはずです。海外駐在のチャンスもあるので、その場合はさらに報酬が上乗せされる。高年収によって厚生年金の標準報酬月額が上がってるので、『年金受給額がこれで増える』と喜ぶ人もいました」

◆役職と責任を背負わせリストラするパターン

だが、「好待遇には裏がある」と話すのは、数多くのリストラ企業のトラブル処理に対応してきた社会保険労務士の辻清則氏(仮名)だ。

「その部署は、ある種の“追い出し部屋”としての機能を有していたと考えられます。部長職なら、名ばかりでも部としての成果を求められるからです。仮に、成果が上がらなければ、降格やクビ切りの対象にすることができる。大企業なら大きな労組があるでしょうが、管理職は当然のことながら組合員にはなれませんので、守ってくれる人はいません。一方で、大企業の元部長なら再就職は比較的容易なので、“最後の箔づけ”の意味合いもあるでしょう」

辻氏によると、こうした名ばかり管理職は’19年以降、増えているという。

「国を挙げて取り組んだ働き方改革が一因にあります。原則月45時間・年360時間という時間外労働の上限規制が導入された影響で従業員を長時間働かせることができなくなったため、その規制の対象外である管理職を増やす企業が増加したのです。その結果、一般従業員の残業削減分を管理職が担うようになり、役職に応じた報酬アップに見合わない業務量で身も心もすり減らす名ばかり管理職が増えていったのです。労働基準法上は重要な職務内容を有して、大きな権限を持ち、地位にふさわしい待遇を受けて、初めて管理監督者=管理職と言えるようになるのですが、そのことを知らないため、部下がいない管理職や遅刻をすると減給される管理職といったポジションを甘んじて受け入れている人も少なくない」

多忙感に襲われている管理職は、まずは自身の職務や権限、待遇がポジションに見合ったものか考えてみよう。


配信元: 日刊SPA!

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