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「金(Gold)」にはない美術的価値と“二度と作られない”希少性…金融ショックに強い〈アンティーク・コイン〉という実物資産の魅力【コイン収集歴50年のFPが解説】

「金(Gold)」にはない美術的価値と“二度と作られない”希少性…金融ショックに強い〈アンティーク・コイン〉という実物資産の魅力【コイン収集歴50年のFPが解説】

「有事の金」と呼ばれ、資産防衛の王道とされる金(Gold)投資。しかし、過去のデータを見ると数年間で40%も暴落するなど、投機的側面を持っています。「暴落リスクが怖い、でも現物資産は持ちたい」という投資家から注目を集めているのが、「アンティーク・コイン」です。本記事では、田中徹郎氏の著書『資産運用の視点からみた 決定版 アンティーク・コイン投資のすべて』(日本実業出版社)より一部を抜粋・再編集し、金投資にはないアンティーク・コイン独自のメリットと、金融ショックに強い理由を解説します。

金は増え続けるが、アンティーク・コインは「二度と作られない」

実物資産の代表として、金(Gold)があります。コインにも金と同じく実物資産としての側面がありますが、両者の性格には、重なる部分と異なる部分があります。

まず異なる部分からです。

私たちの先人はさまざまな素材のコインを使ってきました。人類が最初に作った打刻コインは古代リュディア王国のスターテルと呼ばれる金貨(図表1)でした。

(図表1)リュディアの1/3スターテル(BC6世紀ごろ)

西暦で言えば紀元前600年前後ですから、今から2600年も前のお話です。高い希少性があり、なおかつ、一定以上の量を確保できる素材として金が選ばれたのでしょう。

希少性という点で金に及ばないものの、一定の価値がありそれなりの流通量がある素材として、銀もコインに採用されました。

時代はやや下りますが、古代ギリシャ・ローマ時代になり経済活動がより活発になると、庶民が日々使うコインとして銅貨の発行量も増えていきます。金と銀に加え、さらに銅を中心とした非鉄金属などがコインの素材として使われる時代は現代まで続いています。

このようにコインの歴史を振り返りますと、私たちとコインの関係はここ2000年以上もの間ほとんど変わっていないことがわかります。

逆に言えば、コインはそれだけ使い勝手がよく信頼性も高い媒体だったのでしょう。長期に及ぶ私たちとコインの関係は、今を生きる私たちにもしっかり受け継がれているのではないでしょうか。

一方、昨今は電子マネーの台頭によって、その古き良きコイン文化は徐々に失われつつあるようです。電子マネーや仮想通貨が「本物」でないとは言いませんが、その価値に対して私たちは全面的な信頼感を持っていると言えるでしょうか。

たとえば、私たちが18世紀にイギリスで発行されたアン女王の5ギニーをみて、なんとも言えない憧れや、ため息が出そうになる陶酔を感じるのは、かつてコインに対して持っていた、「本物」への信頼感や郷愁の表れなのかもしれません。

では、金に対してはどうでしょう。たしかに電子マネーや仮想通貨にない「本物への信頼感」はありますが、先の5ギニーに対するほどのものではありません。

金は現在でも地中から採掘されていますし、廃棄スマホやPCから大量に回収されます。その点で再生不能なコインと違った性格を持っていると言えるでしょう。

金にはない、アンティーク・コインだけが持つ「美術品」としての特別感

金とコインのもう一つの違いは美術的な価値だと思います。

この2600年の間、私たちの先人たちはさまざまな金貨や銀貨を作ってきましたが、美術的な価値を持つ素晴らしいコインも数多くあります。

人それぞれ感じ方は違いますが、多くの収集家は1600年代から1700年代にかけてドイツやオーストリアで発行された大型の金貨・銀貨に美術的な価値を見出します。

特に、同時代のハンブルグやレーゲンスブルグなど都市の景観がデザインされた10ダカット金貨や銀貨ターレル(図表2)は、ある意味でコイン美術の頂点と言っていいでしょう。

(図表2)レーゲンスブルグのターレル(1793年)左:オモテ面、右:ウラ面

素材としてみれば、たとえば金貨は主に金でできています。その点ではコインは金と似通った性格を持っていますが、美術品としての価値という点からみると、コインは金や銀にはない特別な性格を持っているのです。

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