法テラスで弁護士に相談。感情論を排除し、2年がかりで決着へ

結局、男性は法的に解決する道を選ぶことに。「法テラスを通じて紹介された弁護士に相談しました」と振り返ります。
男性は、客観的な不動産鑑定評価書を作成し、これまでの維持管理費の領収書をすべて証拠として提示。「感情論を排除し、すべてを数字と法律に基づいて書面でやり取りするように切り替え、最終的には家庭裁判所での調停に持ち込みました」と明かします。
その結果、「裁判所の調停員が入ったことで、ようやく弟も現実的な売却価格と長男である私の負担を認めざるを得なくなりました」。
最終的には実家を売却した残金を折半するという形で合意したとのこと。ただ、解決に至ったときには既に2年近くの歳月が経過していました。
調停で失った150万円以上の老後資金と、絶たれた家族の絆
弟との話し合いが調停にまで発展したことで「実家の売却益がほぼ弁護士費用と解体費用で消えてしまうという、誰も得をしない結果になりました」と男性。

さらに「老後資金として計算していた自分自身の貯蓄を、実家の維持管理費や調停費用として150万円以上切り崩さざるを得なかった」と言います。
相続が思わぬトラブルに発展したことで「再雇用の給料だけでは補填が難しく、定年後に予定していた自宅のリフォームを無期限延期することになりました」と、その後の生活設計にも大きな影響が及びました。
今や弟とも絶縁状態に。「親戚付き合いも完全に断絶してしまった精神的なダメージも大きいです」と精神的な苦痛も相当なものだったようです。
「『なぜ自分ばかりが苦労して、遠方に住んで何も手伝わなかった弟に責められなければならないのか』という強い憤りと虚しさを感じていました」と、率直な心境を吐露する男性。
「父が生前にしっかり遺言を残してくれていればと、亡くなった父を恨んでしまう時期もあり、夜も眠れないほどストレスが溜まっていました」と言います。
「家族の絆が金銭問題でここまで簡単に崩れるのかと、絶望的な気持ちでした」。
