◆政治的表明は「すべき・すべきでない」の二択なのか?
誤解があるようなのですが、開演の30分前(客入れ時)から高木完さんのDJタイムが始まりまして、その中で俳優の佐藤慶さんが朗読している日本国憲法というCDの音源をミックスした曲がありました。大好きな俳優さんです。一度だけ共演したことがあります。つづく
— 株式会社明後日 (@asatte2015) May 7, 2026
昨今では、アーティストは政治的表明をすべきかすべきでないかについて熱い議論が展開されています。サカナクションの山口一郎は、ミュージシャンが政治に関心を持っていることと、それを創作などの表現に反映させることは領域が異なる、という主旨のことを話していました。彼はこの問題に対する最も真摯な見解を示してくれました。
同時に、それは必ずしも政治的な表現をしないほうがいい、ということを意味しているわけではありません。
結局は、アーティストは政治的な発言をしなきゃいけないわけでも、逆にしてはいけないわけでもない。これだけの話なのです。たとえ自分と違う考え方だったとしても、あの曲はいいよね、という心の振れ幅がないところに、娯楽も郷愁もないのではないでしょうか?
要するに、「小泉今日子ではなくキョンキョンが観たかった」という意見は、小泉今日子の思想が無視できないほどに強靭であることの裏返しなのです。
それを認められず、賢い消費者のふりをすることにこそ、致命的な弱さがあるのです。
文/石黒隆之
【石黒隆之】
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。X: @TakayukiIshigu4

