例外的に「実物資産」の売却を迫られる2つのケース
ライフプランが変わったとき
一つ目の例外はライフプランが変わり、資産の一部を換金せざるをえなくなる場合です。私はもう20年以上、依頼者の資産運用相談を受けてきました。なかには開業当初からお付き合いいただいている方もいますが、相談期間が長くなればなるほど、ライフプランは当初の想定から外れてゆくものです。
ご本人のリタイアや再就職、お子さんの独立にともなう支出の減少や自宅のダウンサイズ、お孫さんの誕生をきっかけに始める生前贈与や生活費の支援。配偶者が重度の病気になることもありますし、残念ながら相談者ご本人がお亡くなりになったこともあります。
このようにライフプランが大きく変わるケースでは、資産運用の計画が大きく変わることもあります。
たとえば自宅を賃貸にだしつつ、もう一部屋小ぶりなマンションを買う場合、あるいは介護付きマンションへの入居資金を確保するためなど、ライフプランの変更にともなって、手持ちのコインの売却を迫られるケースが出てくるものです。
収支バランスが悪化したとき
もう一つコインの売却を迫られるのは、日々の収支バランスが想定より悪化し、手元のおカネが足りなくなるケースです。
長い人生、どんなことが起きるか予想もできません。もちろん私たちファイナンシャルプランナーは、さまざまな出来事を想定して資産運用プランを立てるのですが、それでも予想外のインフレや自宅の老朽化問題、ご本人や家族の健康問題など、次から次へと想定外の出来事はやってくるものです。
そのような場合は当初の計画を変更し、場合によっては手持ちのコインを徐々に換金してもいいと思います。コインへの投資は、そもそもそのような想定外の出来事に備えるために行なっているとも言えるからです。では、手持ちコインの売却に迫られた場合、私たちはどうすればいいのでしょうか。
コインの購入と同様、売却方法もさまざまで、それぞれ一長一短があります。
以上、コイン投資の出口を迫られるケースをいくつかみてきましたが、最後は相続という出口です。
最終的な出口は「相続」…株や債券が遺族の心理的負担になるワケ
「子や孫にどうやって資産を遺せばいいか」──この点に関し、人は歳を重ねるごとに深刻な問題として向き合う機会が増えていくものです。もちろん、現在保有している株や債券、現預金などをそのまま相続していいのですが、その場合、いくつか注意すべき点もあります。
株価は上下動が激しく金融危機や経済的なショック、あるいは紛争や戦争など、その時々に起こる出来事によって大きく価値が減る場合があります。もちろん逆もあります。経済が活況状態になると株価は上がりますし、予想を超える好指標の発表で株価が急騰することもよくあります。
このように株価は上にも下にも動きやすいのですが、私たちに万一のことが起きた場合、一般的に相続の手続きが終わるまで証券口座は動かせません。現預金はハイパーインフレや財政破綻がない限り、大幅な価値の毀損はないですが、たとえば債券、特に外貨建ての債券は為替の変動もありますから、思いのほか大きく値動きすることがあります。
このように相続手続きが完了するまでに株や債券の値が動くことはよくある話で、この間、相続人は、ハラハラしつつ相場を見守るしかありません。
