◆思わず目を引くフェイスアイコンの工夫
これまでとは違う商品開発のアプローチを行ったNOPEだが、プロモーションに関してもSNSを中心に話題を集めているのは、「できるだけ早くお客様の頭の記憶に残ることを意識したから」だと大槻さんは説明する。まずは“欲望に溺れる”というコンセプトに沿った「ブラック×マゼンタ」のカラーリングだ。色が記憶に与える影響は非常に大きく、既存の炭酸市場にない色味を選ぶことで、ギルティの世界観を視覚的に伝える手段として機能している。
さらに、飲んだ後の背徳感や、欲望の沼に溺れていくような表情を象徴するフェイスアイコンを配したのもユニークな点である。
パッケージの中央に配置されたこのアイコンについて、大槻さんは「特定のモチーフを参考にしたわけではなく、ギルティな時間に浸る“気持ちよさ”をそのまま表現した」と語る。
「罪悪感を抱きながら消費する行動を否定するのではなく、それ自体をポジティブに肯定し、“気持ちよさ”として昇華できるかを重視しました。そのため、ギルティ炭酸そのものの美味しさを訴求しつつ、その先にある『心地よさ』や『解放感』といった情緒的価値を表現したのが大きな特徴です」
そして、もともと大槻さんが缶コーヒー「BOSS」のブランド担当だったことから、街中にあるサントリーの自動販売機を使った“奇抜”なマーケティングも展開。

そんな大胆な手法も結果的には功を奏し、大きな注目を集める契機となった。
以上のような創意工夫を随所で展開し、2026年3月より発売を開始したところ、発売から1週間で出荷本数2000万本を突破するヒットとなった。
◆「甘すぎ」「リピはない」の声も想定内。SNSの賛否両論に動じない姿勢
初速としての売れ行きは、近年サントリーが販売した新商品の中でも異例のものだという。しかし、SNSでは「甘すぎ」「体に悪い」「リピはない」などの“批判”の声も……。こういった反応に対して、どのように受け止めているのか。
「予想外の反響が寄せられ、さまざまな意見が聞かれることは非常にありがたい」
そう語る大槻さんは、次のように回答を寄せる。
「開発段階では、“病みつきになる味わい”を徹底的に追求し、お客様の声も踏まえて作り上げてきた商品です。そのため、中身とパッケージには強い自信を持っており、さまざまなご意見をいただけること自体にすごく感謝しています。
だからこそ、いただいたご意見には真摯に向き合いつつ、SNS上の反応に一喜一憂するのではなく、改善が必要と判断した点については今後のリニューアル等に活かしていく予定です」
味については「甘すぎる」と「もっと甘くてもいい」、デザインについては「奇抜すぎる」と「見覚えがあって親しみやすい」といったように、相反する意見が寄せられている。
それでも個々の意見に振り回されるのではなく、どのような場面で楽しんでもらうのが最適なのか。そこを見極めながら、冷静に意見を受け止めていくという。
また、小売店でNOPEの箱が山積みになっている件も、「在庫が多く残っているのではなく、売り場自体が活性化している状況」だそうだ。
「当社の営業を通じてNOPEを各流通・小売店に紹介したところ、多くの店舗で共感いただき、発売初期から通常では考えられない規模の売り場を確保いただきました。発売から1ヶ月以上経った今も、目立つ位置で陳列を続けていただいています。
ただし、売れ行きはとても好調ですが、売り場の規模が大きいぶん、お客様からは『在庫が多く残っているのでは』と見える側面も一定あると認識しています」

