◆暴力の連鎖が止まる世界を夢見て
――蓮さんは非常に繊細で、直接的にご自身にかかわることではない事件でも、心を病んでしまうことがあるとか。蓮ひさぎ:そうですね、中学2年生のときに起きた相模原障害者施設殺傷事件は非常に心を痛めました。知的障害者福祉施設である津久井やまゆり園で、元職員が19人を刺殺した事件です。事件そのものにも憤りを覚えましたが、ネットのコメントで少なからず加害者に与するコメントもあり、本当につらい気持ちになりました。
――どのような社会を望みますか。
蓮ひさぎ:どんなに生きづらさを抱えている人であっても、きちんと認めて自由に生きていける社会になればいいと思っています。個人がそのまま尊重される社会であることを期待します。今、世界で人権を無視した暴力が横行していることに対しても、強く抗議したい気持ちがあります。
――蓮さんのようなインフルエンサーが戦争反対を叫ぶことは重要ですね。
蓮ひさぎ:もちろん私はまだまだ知識不足であり、大仰なことを言うべきではないのかもしれません。けれども、私もこの世界に生きるひとりだからこそ、暴力に反対であると声をあげることは無意味ではないのかなと。昔、水木しげるさんの戦争体験を読んだりして、その過酷な事実に驚き胸を痛めました。その日以来、同じ地獄が再現されないことを心から願っていました。感受性が剥き出しの状態で生きているので、誰かが傷ついた、死んだ、というニュースも心理的に負担になります。そうした悪いニュースが少ない世の中であってほしいです。
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派手さや奇抜さを蓮さんの本質と決めつけるのは、踏み込みが浅い。自らもまた変わり者として育てられ、慈しまれたからこそ、他者にも愛情を注げる。どんな人もその人らしくあれるように――蓮さんのささやかな祈りは壮大な世界平和へと繋がっている。
<取材・文/黒島暁生>
【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

