「なんだか面倒くさい」を見過ごすと認知症へと進行
「認知症は、ややもすれば記憶力が低下する『知』の病気だと思われがちですが、実際には記憶力よりも先に意欲の低下が起こります。つまり認知症の始まりは『意』の病気といえるのです」と朝田さん。
下の図にあるように、私たちのおでこの内側に位置する前頭葉は、「脳の司令塔」とも呼ばれ、意欲や思考、判断などをつかさどっています。認知症グレーゾーンになると、この前頭葉の働きが衰えることが知られています。
「身なりに気を配らなくなったり、長年楽しんできた趣味をやめてしまったり、何をするのも『面倒くさい』と思うようになったら要注意。『面倒くさい』という感覚は軽んじられがちですが、認知症グレーゾーンの入り口なのです」
「面倒くさい」は〇〇の機能低下が原因です

【前頭葉(ぜんとうよう)】
ものを考えたり(思考)、がんばろうと思ったり(意欲)、次はこれをしようと決めたり(計画・判断)できるのは前頭葉の働きによります。この働きが低下すると何をするのも面倒くさくなり、今まで当たり前にできていたことができなくなります。
【海馬(かいば)】
「面倒くさい」をそのままにしていると、やがて記憶を管理している海馬が縮み始めます。すると「記憶の低下」が急速に進み、同時に不安やうつなどの症状が現れ始め、対策しなければ認知症へと進行していきます。
いくつになっても生きがいを持つ
「面倒くさい」のサインを見過ごしてしまうと、やがて、脳の中で記憶を管理している「海馬」の萎縮が進み、記憶力の低下を招きます。同時に、怒りっぽくなったり、不安感が強くなったりする「感情」の衰えも始まるのだそう。
「多くの人は年を取ると行動範囲や交友関係などを縮め、人生を縮小していく傾向があります。それが悪いとは言いませんが、健常な脳を保つには、いくつになっても生きがいを持ち、承認欲求を満たすことも大事です」と朝田さん。
次回は、意欲や感情の衰えを防ぎ、将来の認知症を予防する8つの習慣を紹介します。
取材・文=五十嵐香奈、大門恵子(ともにハルメク編集部)、イラストレーション=ねもときょうこ
※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年6月号を再編集しています。
※HALMEK upの人気記事を再編集したものです。

