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どうしても言えません…年金月28万円の夫婦、65歳夫が新NISAで「160万円」を失ったワケ。笑顔で微笑む妻の横で、決め込んだダンマリ【FPが解説】

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悩んだ末の投資判断

NISA(ニーサ)とは、少額からの投資を行うことができる「少額投資非課税制度」のことです。通常は約20%かかる投資利益への税金が非課税になり、初心者でも少額から無理のない範囲で長期的な資産形成に取り組むことができます。

「さて、どの商品を買えばいいんだろう……」Aさんは、動画をみて熱心に勉強。Aさんの性格上、なかなか決めることができません。

「こんな性格だから、つまらない人間だといわれるのかな」

しかし、当時はちょうど新NISAへの移行期で、2024年から始まる新制度では「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が設けられ、両方を併用することも可能になるとのこと。

「じゃあ俺は、新NISAに切り替わるタイミングで始めてみよう」と、口座開設等の準備を少しずつ進め、そして迎えた2024年。有名企業かつ複数の動画でランキング上位に入っていた銘柄に、成長投資枠の上限いっぱいまで購入。翌2025年にも、同じ銘柄をさらに240万円分買い増しました。2年間で、計480万円をNISA口座に投じたのです。

慎重すぎる性格が裏目に…

それからAさんは、毎日パソコンで証券口座を確認するのが日課になりました。1年目は順調に資産が増え、画面を見るたびに思わず笑みがこぼれます。

「よしよし、いいぞ……」

ところが2年目に入った途端、状況が一変します。世間では株価が上昇しているにもかかわらず、Aさんが選んだ銘柄だけがマイナスに転落していたのです。Aさんは思わず目を疑いました。

「えっ、なんで俺だけ……?」

額には汗がにじみ、手のひらもびっしょり。「まずい、すぐ売らないと」と即座に売却ボタンを押すと、パソコンの前にぐったりと座り込んでしまいました。落ち着いて画面を見直すと、すでに元本割れしています。

「こんなことならNISAなんてやらなければよかった。妻には言えません……」

投資初心者にありがちな「パニック売り」のワナ

Aさんは初心者であるがゆえに高値で購入し、下落局面で「パニック売り」という典型的な失敗をしてしまいました。結果、投資した480万円は320万円にまで減り、30%以上の損失を抱えることに。

NISAは本来、長期・積立を前提とした制度であり、余裕資金で行うのが基本です。Aさんも本来は10年以上使う予定のない老後資金を元手に始めたはずでしたが、慎重な性格が裏目に出てしまい、資産を大きく減らす結果となりました。

「やっぱり自分には投資なんて向いてなかった」とAさんは頭を抱えますが、Aさんに限らず初心者がこうしたワナに陥るケースは少なくありません。

始める前に専門家に相談するなど、制度の一長一短を客観的に理解していれば、もう少し落ち着いた気持ちで投資判断を行うことができたかもしれません。

〈出典〉
■厚生労働省「令和6年簡易生命表」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life24/dl/life24-02.pdf

三藤 桂子

合同会社ミコサポ

代表

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