2027年以降、省エネ基準が見直されることにより「エアコンが高くなる」と言われています。すでに駆け込み需要も増えていますが、エアコンは早めに買い替えたほうが良いのでしょうか。
そこでこの記事では、「エアコン2027年問題」の仕組みや価格への影響、そして買い替えを検討する目安について分かりやすく解説しますので、ぜひご参考ください。
エアコン2027年問題とは
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経済産業省が主導するトップランナー制度の改定により、 2027年度以降、空調機器(エアコンディショナー)に対する省エネ基準が厳しく強化されます。これに伴い発生する市場の混乱や価格高騰問題が「エアコン2027年問題」と呼ばれています。
特に影響を受けるのが低価格、ベーシックタイプのエアコンであり、現行のモデルは2027年以降の新基準を満たしていない機種が多く、今後は製造・販売が停止され、新基準を満たす改良モデルに置き換わっていくと考えられています。改良モデルはスペックが上がる分、価格の値上がりが懸念されており、現在のような値段では買えなくなる可能性が高いのです。
そのため、「安いエアコンがまだ市場に流通しているうちに買っておこう」という動きが出始めており、特に5万円程度の安いモデルは駆け込み需要で売れ行きが加速しています。
最新モデルでも新基準を満たしていない
2027年以降の新基準ではAPF※の値が大幅に高められており、2.2kW(6畳)タイプのエアコンで求められるAPF値は6.6(旧基準より13.8%増)です。新基準の数値は厳しく、最新モデルでも満たせていない機種は多いです。
例えばダイキンのベーシックモデル「Eシリーズ」は、最新の2026年モデルであってもAPF値は5.8であり、新基準を達成できていません。そのため2027年になると現行の2026モデルが一気に店頭から消えてしまう可能性があるのです。
※APFは「通年エネルギー消費効率」のこと。数値が高いほど省エネ性能が優秀。
エアコンは本当に高くなる?
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2027年以降になるとエアコンは高くなると言れていますが、必ずしもそうならない可能性もあります。ここでは今後のエアコンの価格事情について触れていきます。
「数万円」高くなる可能性も
2027年の新基準に対応するべく、高効率コンプレッサーや冷媒の改良、AI制御の取り込みなど、新技術導入を余儀なくされている状況であり、急な対応のため開発コストが必要以上に割高になり価格を押し上げる可能性もあります。2027年以降、エアコンがどの程度値上がりするかは未知数ではありますが、「数万円値上げ」「2倍近く値上げ」という声も見られます。
参考として、パナソニックではベーシックタイプの「Jシリーズ」をベースに省エネ性能のみを向上させた「Cシリーズ」が先行発売されています。この2台は同じ2026年モデルでもJシリーズは約9万円、Cシリーズは約14万円と約5万円の価格差が生じています。
Jシリーズ(6畳タイプ、2026年モデル)・・・約7万円、年間電気代1万9359円(価格.comより)
Cシリーズ(6畳タイプ、2026年モデル)・・・約14万円、年間電気代1万7010 円(価格.comより)
※2026年4月17日調べ
高くなる分、電気代は安くなる
前述の例のように、今後は、改良モデルで数万円単位の値上げが行われる可能性があります。ただし改良モデルは価格が高くなった分、省エネ性能が上がり、電気代が安くなっています。上記Jシリーズの年間電気代は1万9359円ですが、Cシリーズは1万7010 円で、約2000円の差が生じています。改良モデルは一見高く感じますが、長く使うほど電気代の差で元が取れるケースもあります。
あまり高くならない可能性もアリ
エアコンの価格は旧モデルの在庫の流通量、原材料価格にも影響します。そのため今後の状況によっては、今騒がれているほどの値上げは実際に起こらないこともあり得ます。
またエアコンの価格というのは、新モデル発売当初が最も高く、時間と共に値下がりしていくのが通例です。そのため改良モデルが続々と投入される2027年前後は価格相場が割高になったとしても、2028年、2029年とその先を見れば価格が落ち着いている可能性もあるのです。
工賃割り増しに注意
2027年エアコン問題に備えてエアコンを買い替える人が増えているため、取り付け業者も忙しい状況で普段より割り増しの工賃を取ることがあります。特に今年2026年の6月~8月のオンシーズンはエアコン取り付けが集中し、工事日程すら取りにくくなることも予想されます。
そのためすぐにエアコンを買い替える必要がないのであれば、今焦って買い替えをするよりも、あえてオフシーズンや2027年以降まで様子を見て、世間のエアコン需要がひと段落してから買い替えるというのも一案です。