
1.医療法とは
医療法とは、病院や診療所など医療施設の設立や管理、従事者確保に関するルールを定めた法律です。1948年に制定され、患者が安心して医療を受けられる環境を整えることを目的としています。
医療法と似た法律に医師法がありますが、こちらは医師の業務内容や資格に関する法律です。医療法が病院や助産所などの「施設」に焦点を当てているのに対し、医師法は「人」に焦点を当てている点が異なります。
医療法で定められている施設
医療法は、主に以下の医療を提供する施設の開設や管理、監督について定めています。
- 病院
- 診療所・クリニック(歯科含む)
- 助産所
- 介護老人保健施設
- 介護医療院
- 調剤薬局
- 訪問看護ステーションなどの居宅訪問系事業所
2.医療法で定められている主な内容
ここからは、医療法に定められている主な内容を紹介します。
広告の規制
医療に関する広告は、患者が誤解したり、不利益を受けたりしないよう、以下の内容を掲載することが禁止されています。
規制対象となる広告の内容
- ほかの医療機関よりも優れていると示す広告(例:県内一の医師数を誇る)
- 事実よりも良く見せる広告(例:安全性が極めて高い手術です)
- 公序良俗に反する内容の広告(例:わいせつな画像を使用)
- 患者個人の感想や口コミに基づく体験談の広告(例:◯◯治療で痛みが消え、人生が変わった)
- 治療前後の写真だけを載せ、詳しい情報がない広告(例:治療内容、費用、リスク、副作用などが書かれておらず、手術のビフォアアフターだけを掲載)
医療の安全の確保
国や都道府県、市区町村(保健所を設置している場合)には、患者や家族に対し、医療の安全に関する情報を提供したり、従事者に向けて研修をおこなったりすることが求められています。また、医療機関の管理者は、医療事故が起きた場合に「医療事故調査・支援センター」へ届け出て、必要な調査をおこなう必要があります。
病院・診療所・助産所の開設と運営
医師や歯科医師、助産師が病院や診療所、助産所を開設・休止・廃止する際は、開設地の都道府県に届出をし、許可を得る必要があります。病床数や病床の種類(一般病床から精神病床へなど)を変更する場合も届出が必要です。
開設後は、病院や診療所内で患者から見える場所に管理者の氏名などを掲示する必要があります。また、運営に必要な設備の整備や人員を確保し、これらを記録することが求められています。
医療提供体制の確保
医療機関は、適切かつ効率的に医療を提供するための体制や目標などを定めた基本方針と、連携体制などを盛り込んだ医療計画づくりが必要です。
加えて、地域で外来診療をおこなう医療機関の管理者は、その機能や役割などの必要事項を都道府県に報告する義務があります。また、災害時や感染症蔓延時に備え、技能や研修の修了などの条件を満たした人を、厚生労働大臣が「災害・感染症医療業務従事者」として登録することが可能です。
医療法人の設立と運営
医療法人は、医療の質向上と運営の透明性を確保する必要があります。法人を設立する際は、病院や診療所などの施設名称、役員や理事会に関する規定など必要事項を決定したうえで、都道府県知事の認可が必要です。

