財務省政策評価懇談会で示された「消費税ゼロ」への慎重論
財務省では、政策評価法に基づき、毎年度「政策評価実施計画」を策定するとともに、目標や測定指標をまとめた「事前分析表」を作成しています。
また、財務省内だけで議論を完結させるのではなく、客観性を確保し、評価の質を高めるため、「財務省政策評価懇談会」の意見を取り入れる仕組みとなっています。
2026年3月に開催された同懇談会では、食料消費税ゼロと給付付き税額控除について、次のような意見が示されました。
◆「5兆円を使うならエネルギー対策を優先すべき」との指摘
食料品の消費税を2年間ゼロにする案については、中東情勢によるエネルギー価格高騰の影響が、日用品を含む様々な製品に波及すると指摘されました。
そのうえで、年間5兆円規模の財源があるのであれば、消費税減税よりも、エネルギー価格を抑制する対策に充てた方が、国民生活や経済活動に対して即効性があり、より有効ではないかとの意見が示されています。
◆給付付き税額控除は「完全でなくても始めるべき」との意見も
一方、給付付き税額控除については、所得把握の問題や制度設計の難しさから導入が進まなかった経緯があるとされました。
しかし、国民会議も設置されたことから、完全な制度設計を待つのではなく、まずは可能な範囲で制度をスタートさせるべきではないかとの意見も出されています。
今後の焦点は「国民会議」での議論の行方
特に、消費税ゼロに慎重な意見は、総理の公約とは異なる方向性を示している点で注目されます。
一般に、財務省は消費税減税に慎重な姿勢を取っていると指摘されることもあります。今後は、国民会議などを通じて、給付、減税、エネルギー対策をどのように組み合わせ、政策として具体化していくのかが焦点となりそうです。
矢内一好
国際課税研究所
首席研究員
