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資産家・91歳父の遺産でウハウハな年金22万円の66歳元会社員…「住宅ローン完済」「シニアバイトも退職」のはずが、不動産会社から告げられた〈まさかのひと言〉【FPが解説】

資産家・91歳父の遺産でウハウハな年金22万円の66歳元会社員…「住宅ローン完済」「シニアバイトも退職」のはずが、不動産会社から告げられた〈まさかのひと言〉【FPが解説】

親から賃貸アパートやマンションを相続し、毎月の家賃が口座に振り込まれる――。一見、バラ色の老後を約束する「不労所得」のように思えますが、そこには落とし穴が潜んでいることも。本記事では佐藤さん(仮名)の事例とともに、賃貸不動産の相続時の注意点について、FP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が解説します。※本記事は実話をベースに構成していますが、プライバシー保護のため、個人名や団体名、具体的な状況の一部を変更しています。

「これで老後は楽になる」…父の遺産に抱いた甘い期待

佐藤正人さん(仮名/66歳)は、地元の中小企業に長年勤務し、65歳で定年退職しました。現在は妻と、社会人になったばかりの娘との3人暮らしです。娘の収入はまだ安定しておらず、完全な自立まではもう少し時間がかかりそうなため、生活費の負担は夫婦が担っています。

しかし、佐藤さんにはまだ住宅ローンが残っており、毎月の支出はおよそ35万円。月額22万円の年金収入だけでは足りないので、会社を辞めたあとも、夫婦でコンビニのアルバイトを続けて家計を回している状況でした。

そんな折、施設に入っていた91歳の父の訃報が届きます。葬儀を終え、遺産分割の話し合いが進むなかで明らかになったのは、父がアパートを所有し、家賃収入を得ながら生活していたという事実でした。

「これでローンも返せる。ようやく楽になるかもしれない……」

長年の不安から解放される期待に胸を膨らませた佐藤さん。しかし、このときの“安心感”が、のちに大きな誤算へとつながることになります。

毎月50万円の家賃収入でウハウハだったが…

遺産分割の結果、母と妹が預金を引き継ぎ、佐藤さんは不動産を相続することになりました。土地の評価額も高く、資産価値としては母と同等の遺産を受け継いだ形です。

相続手続きが完了し、毎月およそ50万円の家賃収入が口座に振り込まれるようになりました。「これだけあれば安泰だ」と考え、佐藤さんはコンビニのアルバイトも辞め、完全なリタイア生活へと移行します。

懐に余裕のある生活を送っていたある日、不動産会社に勤める旧友と久しぶりに会おうという話になりました。何気なく近況を話したところ、友人は怪訝な顔でこう指摘したのです。

「家賃収入がそのまま手取りになると思ってないか? 修繕費や管理費はどうしてる?」

佐藤さんは少しドキッとしました。日々発生する細かな経費は支払っていたものの、長期的な修繕費や空室リスク、税金まで含めた収支をきちんと把握していなかったからです。

改めて計算してみると、固定資産税や管理費、将来の修繕費の積立、さらに不動産所得に対する税金や国民健康保険料を差し引いた結果、実際に手元に残るのは月15万円程度であることが判明します。

年金と合わせれば生活できるものの、「余裕のある生活」とは言い難い水準でした。さらに、ここ最近のように気軽に支出をしてしまえば、将来的な大規模修繕やリフォーム費用に対応できなくなるリスクもあります。なにより、いまは空室もなく回せている状態ですが、一時的に空室が1~2室出ただけで、収支はマイナスに転じてしまう可能性があります。

「このままではまずい……」。ようやく現状の危うさを理解した佐藤さんでしたが、一歩間違えれば資金ショートに陥っていた可能性も十分にあったのです。

不動産は“収入”ではなく“経営”…知らないと危険な落とし穴

不動産収入は、不労所得といういわれ方をすることもあり、一見すると、楽して受け取れる安定した“収入源”にみえます。しかし実際には、家賃収入がそのまま手取りになるわけではありません。管理費や修繕費、固定資産税などの経費に加え、長期的には外壁や設備の大規模修繕、リフォームといったまとまった支出も発生します。

不動産は“投資”であると同時に、“経営”です。長期的な資金計画を立て、リスクを織り込んだうえで判断しなければ、もともとは資産だったはずが、負担に変わってしまうこともあります。

特に親から引き継いだ多くの相続人が勘違いしがちなのは、「満室時の収入」で判断してしまうことです。賃貸経営において、空室リスクは避けて通れません。入居者が退去すれば、その期間は収入が途絶え、場合によってはキャッシュフローがマイナスになることもあります。

また、みかけ上は利益が出ている様子でも、将来の修繕費や空室を織り込むと、実質的にはほとんど利益が残らないケースも珍しくありません。借入が残っている場合にはむしろ赤字になることもよくあるものです。

相続人が知識がないまま不動産を引き継ぐことで、思わぬリスクを背負ってしまうケースはたびたび耳にします。場合によっては、損失覚悟でも早期に売却してしまったほうがいいケースもあります。

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