相続は「ゴール」ではなく「スタート」
総務省「住宅・土地統計調査」や国税庁の資料によると、日本では相続財産に占める不動産の割合は依然として高く、特に地方では相続財産の大半を不動産が占めるケースが多くみられます。しかし、相続財産が賃貸物件だった場合、空室率の上昇や建物の老朽化により、収益性の低い物件も増えているのが実態であることに注意しましょう。
最近では、相続税を下げたい一心で賃貸物件を建築・購入する「節税対策」も盛んですが、なかにはそもそも節税の必要がない人まで勧められるままに借金をして不動産を持ち、相続後に収支が悪化して「こんなはずでは……」と後悔するケースも増えています。
佐藤さんは幸い、友人の指摘で早めに危機感を持ち、支出の見直しと長期計画の策定に着手しました。佐藤さんの事例は、「資産を持つこと」と「資産を活かせること」がまったく別であることを示しています。不動産は正しく管理すれば安定収入になりますが、計画がなければ負債にもなり得るものです。
相続はゴールではなくスタートです。受け取った資産をどう守り、どう活かすか。不動産を相続した場合には、経営者としての視点を持ち、長期的な戦略を考える必要があります。
小川 洋平
FP相談ねっと
ファイナンシャルプランナー
