
月刊誌『大人のおしゃれ手帖』の読者組織「ミモザ会」の公式ブロガーによる『ミモザ会ブログ』。イラストレーターとパート事務のWワーカーをしているイシイさんが、ウィッグヘアと着物の楽しみ方を綴っています。
「着物警察」。
着物を着ている人に対して、着付けや着物の格、季節感、TPOなどを説いたり、実際に触れて着付けを直したりする人のことを指すようですが、私のような着付け下手にとっては回避したい人たちです。レベルアップして着物の知識が増えると、その力を他の人に向けたくなってしまうのでしょうか。
私も過去に数回、着物警察(的な人)に遭遇しています。
ありがたい着物警察の場合
まだ着物を着はじめた頃のこと。義母からもらった着物を着て、緊張しながら呉服店の店先をのぞいていたら
「お着物でお出かけなんて、いいわね〜」
と店員さん。とそれはフリで、しっかり背中心がずれてしまっていることを指摘されました。
当時は初心者ということもあり、「なぜ私の着付けは背中心がずれてしまうのか」と逆に質問していました。しっかり着付けているつもりなのに、本当に上手くできなくてずっと悩んでいたからです。すると
「下前(右手側にある前身頃)の引きが足りない、着るときにもっと引いてみて」
とシンプルに答えが返ってきました。以降、その方の言葉通り、下前を自分が思っているよりもさらに引くことを意識したら、背中心がずれることがなくなったんです。実際に私の着ている姿を見ての言葉だったのでしょう。とても的確でした。着付けは人に習わずとも、本や動画で学べる時代ですが、やはり対面でのやり取りで得られるものは大きい! 初心者の私にとっては貴重で、ありがたいアドバイスでした。
イヤな感じの着物警察の場合
ある日、友人3人と思い思いの着物で街ブラをしていたときのことです。突然道ですれ違った女性に声をかけられたのですが……我々の着物へのさまざまな指摘が始まりました。
「もう薄物を着ているの?」
「この着物はポリエステルね」
「帯揚げはもう少し下げて」
礼儀を重んじる場にいたわけでなく、カジュアルな集まりだったので(しかも初心者混じりで)、初めてのことに全員ドキッ、ピリッ。先ほどの呉服店の方とは違い、アドバイスではなく指摘でした。
ちなみに私には「ここにシミがあるわよ」と、自分でも気づかなかった部分の汚れをご指摘いただきました。

