◆人生を攻略するための貯金額は?
そんな僕が、大学生になって初めてお金にまつわる明確な目標を立てた。「5000万円貯めたら、あとは一生働かない」というものだ。
当時の郵便貯金(定額貯金)の金利は3%くらい。いい時代だった。5000万円あれば、1年で150万円の利子がつく。利子所得には税金がかかるため、それを差し引いた約120万円が手に入るわけだ。月に換算すると利子だけで約10万円の実入りである。
そのときの僕の生活費がおよそ月5万円。エアコンが壊れたり、自転車を盗まれたりといった想定外の出費を考慮しても、月10万円あれば余裕で暮らせる。あるとき急に多額のお金が必要になっても対処できる。
僕の生活コストから逆算すると、5000万円が最適解だった。僕にとってそれ以上の貯金は無意味だったのだ。
大学生のころ、趣味でウェブサイトをつくったのがきっかけで、僕は仲間と小さな会社を立ち上げることになる。
ユルっとやっていた割に会社はすぐに利益を出しはじめたが、大きかったのは22歳のときに開設した「2ちゃんねる」である。
その結果、5000万円のゴールを図らずも20代のうちに達成できた。ラッキーと言うほかない。
おかげで嫌な仕事をやる必要がなくなった。人生を攻略したも同然だった。
経済的自由を担保できれば無敵だ。そして担保する額は安いほうがいいに決まっている。言うまでもなく、手早く到達できるからだ。
あなたが人生を攻略するために最適な貯金額はいくらなのか。いちど真面目に電卓を叩くか、ChatGPTに相談してみてはどうだろう。それだけでずいぶん肩の荷が下りると思う。<文/ひろゆき>
【ひろゆき】
西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』

