みなさんは、子どもの教育費にどれだけ費やしていますか?
一人っ子の増加や教育投資ブームの影響もあり、2000年代初頭と比べても子ども一人当たりの学習費は増加傾向にあります。
「子どもの教育費は惜しむべきではない」と、湯水のように塾や予備校へカネをつぎ込んでいる親御さんも多いのでは。
文部科学省の調査によれば、子ども一人を高校卒業まで公立に通わせた際の教育費平均は約500~600万円。すべて私立に通わせれば、その額は2000万円近くにもなるそう。
しかし、「塾に課金して偏差値を上げ、一般入試でいい大学を狙う」教育投資モデルは、もはや現在の大学入試市場において「コスパ最悪の不良債権」と化しつつあることをご存じでしょうか?
今回は、教育投資のシビアな現実についてお伝えします。

◆大きく変化しつつある大学入試
現代の大学入試現場では、ペーパーテストを課す「一般入試」の利用者割合が半数を割り込んでいます。いまや過半数が「学校推薦型」や「総合型選抜(旧AO入試)」といった、いわゆる「年内入試」で進学先を決める時代になりました。
選抜方法が多様化すれば、これまでは零れ落ちていた別の才能を拾えるようになるかもしれません。
とはいえ、入試枠全体が増加するわけではない。そのしわ寄せは一般入試が食らいます。ペーパーテスト入学枠は減少傾向にあり、その分だけ競争も熾烈になります。
現在、首都圏で信じられている主要な教育ルートは「小学校から塾に重課金して中学受験で早期利確」でしょう。
ペーパーテストに勝つにせよ、推薦入試に勝つにせよ、中高一貫校の勝率の高さは圧倒的ですから、これ自体は高コスパを保ち続けるかもしれません。
ただし、中学入学後のルートは多様化していくでしょう。
◆“学力入試”の難化は止まらない
なぜならば、一発勝負の受験勉強に集中投資するよりも、勉強もそこそこに、様々な体験や課外活動に参加する機会も視野に入れて分散投資したほうが、多様化する入試形態に対応できる可能性が高まると考えられるためです。今年の東京大学入試では、理系数学が過去数十年を見渡しても最難関レベルの異常な難化を遂げました。おそらくこれは、今年の東大だけにとどまりません。
今後の学力入試では、これまでよりも一層学力に特化した学生が求められるようになるでしょう。
そこでの勝ち抜きを狙うよりは、自分が相対的に強く出られるフィールドを探して、そこに集中投資したほうが、総合的な勝率は高まるはずです。
逆に、旧態依然として学力入試にこだわり続ける層は、今後一層激しいふるいにかけられていくでしょう。
勉強が無意味になったわけではなく、勉強だけにこだわり続ける価値観自体を疑う時期に来たといえます。

