「難しい大学」と「わが子が受かりにくい大学」は違う
医学部受験では、偏差値表を上下に眺めるだけでは志望校選びになりません。同じ偏差値帯でも、英語で勝負しやすい大学、数学で差がつく大学、理科の典型問題を確実に取る力が必要な大学など、実態は大きく異なります。さらに、総合大学の医学部か、単科医科大学かによっても問題の性質や面接の雰囲気は変わります。
つまり、「一般的に難しい大学」と「その受験生にとって受かりにくい大学」は必ずしも一致しません。親が偏差値表だけを見て出願校を上下させると、本来は相性のよい大学を外し、逆に合いにくい大学へ費用と時間を投じてしまうことがあります。医学部受験で見るべきなのは、偏差値の数字ではなく、本人の得点構造と大学の出題構造が合っているかどうかです。
合格体験記、クチコミが「逆にリスクになる」ケース
合格体験記には成功した人の物語が書かれています。しかし、その受験生がどの年度に、どの学力帯で、どの方式を使い、どの家庭環境で受験したのかを見なければ、自分の子どもに当てはめることはできません。「この参考書で受かった」「この大学は面接が厳しい」といった情報も、語っている人の条件によって意味が変わります。
SNSや掲示板の情報は、保護者の不安を強めることもあります。強い言い切りほど目に入りやすく、個人的な経験ほど印象に残ります。しかし、医学部受験では、年度、方式、地域、学力帯、併願状況によって結果が大きく変わります。必要なのは、成功談をそのまま真似ることではありません。成功談の背景条件を読み、わが子に使える部分と使えない部分を分けることです。
