40代~50代のキャリアが脅かされるワケ
これからの時代、過去のデータを参考にしたグラフのような収入が確保できる保障もありませんし、赤字は節約だけで埋められるものでもありません。さらに、40代~50代の世代を脅かしているのは、制度や支出の変化だけではないのです。若手世代との「スキルの差」も無視できないリスクとなっています。
まもなく、ITスキル(プログラミング・データ分析・セキュリティなど)を高校時代に学んだ「情報I」世代が社会に出てきます。情報I世代は、若くてITに強いため、企業も彼らの獲得に動いています。すでに一部企業では、40代以上のホワイトカラーに対し、ITスキルの有無で配置転換や昇進判断が行われはじめているのが実情です。リタイアまでの収入の土台を維持するためにも、ミドル層こそITリテラシーという武器が欠かせません。
日本は“失われた30年”でITスキルがすっかり低くなってしまい、67ヵ国中31位です(IMD「世界デジタル競争力ランキング」2024年版)。世界からみると“中位のやや下寄り”という位置づけのため、国も高校生の教育に力を入れています。サイバー攻撃を受ける企業がこの3年間で500社を超え、DXを進める企業も増えていることから、ITスキルの有無もホワイトカラーとして生き残るためには重要になってくるでしょう。
AIも進化するいま、ホワイトカラーが企業から求められる姿は数年で大きく変わってきていますので、現状維持では、この先の転職や再就職が厳しくなっていきます。
金利上昇、住宅ローンの返済額アップを可視化すると…
変動金利型ローンの利用者は、金利上昇による返済額の変化にも注意が必要です。金利上昇を考えたシミュレーションで、次の時期の返済額やローン残高を確認しておきましょう。
・子どもの大学進学時期
・収入がダウンするそれぞれの時期(役職定年・定年退職・完全リタイア)
住まいを購入しようと思う時期は“家計に余裕のある時期”です。住宅ローンを組む際には、先々の教育費用の出費や収入ダウンのことまで具体的に考える人は少ないでしょうが、将来の収支の変化をあまり考えずに「繰上げ返済で早めに完済しよう」と思っているうちに50代になり、ローンが残ったまま定年退職を迎えてしまうケースは少なくありません。
Aさんの場合、住宅ローンの返済額は金利上昇により、次のように変化します。
借入額4,000万円、35年変動金利型ローン(元利均等返済)、ボーナス返済なし
●これまでの金利上昇での資産
月の返済額10万3,834円 → 12万318円(2029年4月~完済まで)
・子どもの大学入学時のローン残高:2,201万6,591円
・役職定年時(55歳)のローン残高:1,969万3,495円
・再雇用時(60歳)のローン残高:1,360万3,944円
・リタイア時(65歳)のローン残高:708万9,400円
現状はこのとおりですが、今年も金利上昇がありそうです。もし、今年と来年、半年ごとに0.25%ずつの計4回、さらに金利上昇があると予想した場合もシミュレーションしてみましょう。
●今後2年間(2026・2027年)の金利上昇を予想したケース
※金利上昇によって月の返済額が増えた場合に、その上昇幅が前回の返済額の125%を超えないようにする「125%ルール」の適用となってしまいます。
月の返済額10万3,834円 → 12万9,792円(2029年4月~5年間)→ 14万1,454円(2034年4月~完済まで)
・子どもの大学入学時のローン残高:2,386万4,911円
・役職定年時(55歳)のローン残高:2,153万9,726円
・再雇用時(60歳)のローン残高:1,522万5,904円
・リタイア時(65歳)のローン残高:812万5,677円
5年ルールや125%ルールは返済の先延ばしとなりますので、50代以降の負担は大きくなります。また、Aさんの場合は35年ローンですが、最近利用が増えてきた「50年ローン」の場合は、さらに50代以降の負担が大きくなります。住宅ローンを組む場合、50代以降の負担も考えて借りるようにしましょう。
