気持ちの整理にも時間をかける
墓じまいは手続きを進めれば完了しますが、気持ちの整理はそれとは別の時間軸で進みます。誠一さんは今でも、年に一度はお寺に行き、元の墓があった場所まで足を運ぶことがあるそうです。
「お墓はないとわかっていても、あの場所に行くと少し落ち着くんです」
その行動は、合理性では説明できないものかもしれません。しかし、それもまた自然な感情です。
墓じまいは、将来の負担を減らすための現実的な選択肢の一つです。一時的に費用はかかるものの、将来における管理面の負担軽減というメリットもあります。一方で、感情的な喪失感や親族関係への影響など、目に見えない側面も無視できません。
重要なのは、墓じまいをすることが「正しいかどうか」ではなく、「自分や家族が納得できるかどうか」です。時間と対話を重ねながら選んだ結論であれば、その選択はきっと後悔の少ないものになるはずです。
新井智美
トータルマネーコンサルタント
CFP®
