◆「オーマイゴッド!」本物の和食に驚くアメリカ人客

ワシントンD.C.という土地柄について、こう語る。
「日本文化を知ってくれているアメリカ人が多いんです。それが本当に嬉しいですね。私たちも、そういう人たちに来てほしいと思っています」
「日本文化を理解したうえで食べてもらえると、本当に嬉しい。でも、何も知らずに『何これ?』と言われると、ちょっと悲しいですね」
同店では、ソースやドレッシング、カツ、唐揚げまで、できる限り店で一から作っているという。
「ちゃんと作っているから、自信があるんです」
そのため、初めて本格的な和食を食べるアメリカ人客に対しては、「まず食べてみて」と勧めることもある。
「『本当に嫌だったらお金はいらないから』と言うこともあります。でも実際に食べると、『オーマイゴッド!』って(笑)。『こんなの初めて食べた、おいしい!』と言ってくれるんです」
特に反応が大きいのが、日本から仕入れているホッケだという。
「アメリカでは、サーモンやサバはあっても、ホッケはほとんどありません。だから、『何だ、この魚は? おいしい!』って驚かれるんです」
その結果、ホッケを目当てに来店する常連客も増えてきたという。
また、日本人には当たり前でも、アメリカ人には珍しい料理も少なくない。
「今日のランチでも、おにぎりを知らないアメリカ人のお客さんがいました。『これは何?』と聞かれたので、中にサーモンや明太子、梅が入っていると説明したら、『ワオ!』って(笑)。実際に食べたら『すごくおいしい』と言ってくれました」
また、日本人客には“シメ文化”も根強いという。
「夜は完全に居酒屋ですね。皆さん、前菜をいろいろ頼んで、最後はお茶漬けです(笑)」
「『もう閉店だけどどうする?』って聞くと、『じゃあ、お茶漬けで』って(笑)」
一方、アメリカには“シメ”の文化がないため、最初は不思議そうに見ている客も多いという。
「アメリカ人のお客さんって、周りをよく見てるんですよ。『あれ何? 僕も頼みたい』って」
そうやって、日本人客の食べ方を見ながら、新しい和食文化に触れていくアメリカ人客も少なくないようだ。
<取材・文/阿部貴晃>
【阿部貴晃(海外書き人クラブ)】
アメリカ在住のジャーナリスト。日系メディアのワシントン支局で20年以上、国際関係を中心に報道し、ホワイトハウスや米国の政治・社会、国際情勢を取材。2025年4月よりワシントンDCを拠点にフリージャーナリストとして活動。日米関係やワシントンDCから見たアメリカについて執筆している。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員

